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俺の隣は。。。 (22)

社長秘書3人は、結局20時過ぎまで室内の片付けをしていた。
高瀬は壁を見て呟いている。
 「仕方ないな…。このまま壁の模様にしてやるか…」
その言葉に、他の2人も同意する。
 「そうですね、綺麗に一直線になってますよね」
 「でも、すさまじかったな」
高瀬は2人に言っていた。
 「あの3人の素性を調べろ。警察よりも早く」
 「はいっ」


着替え終わった高瀬はエレベーターを降り、利根川専務の部屋へ行く。
政行の様子を知りたいからだ。

コンコンッ。
 「高瀬です。利根川専務はいらっしゃいますか?」
 「お待ち下さい」

少し待つと、専務室のドアが開き利根川が出てきた。
 「高瀬…」
 「大丈夫ですよ。終わりました」
 「怪我は?」
 「ありがとうございます。私は大丈夫です」
 「でも」
 「相手を拳骨で殴ったので、あっちの方が大丈夫なのかどうか疑わしいですね」
利根川は、やっと安心したみたいだ。
笑いながら言ってくる。
 「高瀬のグーは痛いを通り越してレンガだからな」
 「失礼な」
 「で、あいつは自分の部屋に戻ってる」
 「部屋って、どこですか?」
 「明智が使ってた部屋だ」
 「え、あそこ?何で…」
 「知らなかったのか?」
 「何を?」
 
すると、利根川は驚く事を言ってきた。
 「あいつ、あの日から毎日、ずっと来てたんだぞ」
 「え…?」
苦笑して言ってくる。
 「まあ、任せてくれと言ったから任せてくれたのだろうが…。
任せっぱなしだっただろう?」
 「う…、まあ、2ヶ月程北海道に行ってたから」
 「で、あいつは今日挨拶に来たぞ」
 「何て?」

すると、複数の声が重なって聞こえてきた。
 「「 今日から常務として働きます、桑田政行です。よろしくお願いいたします 」」

高瀬は驚いてる。
 「え…、なになに、その言葉」
 
 「思わず、こちらこそよろしく、と返してしまったんだよ」と、高橋常務だ。
 「何やら、既に一仕事したみたいなんだ」と、瀬戸常務だ。
 「重役会議をして決めたんだ」と、こちらは桑田専務だ。

 「え、それって…」
高瀬の頭は混乱していた。
そんな高瀬に、利根川は言ってくる。
 「部屋に行ってみろ。久和田と本田と安藤が、あいつと一緒に部屋作りしている」

 「はあ?そんな勝手にっ…」



高瀬は常務室の一角に向かって走り出した。
戸を開けっぱなしにして、社食室が出来上がろうとしているのが見える。
ドアには『社食室』と、大きい字で書かれた看板が貼られている。

しかも、もう一つ貼られている。
火曜 久和田シェフ
水曜 本田シェフ
木曜 安藤シェフ、桑田シェフ
各日共11時半~13時半までの営業

となっている。
しかもメニューまで…。
火曜はスパゲティ
水曜は丼物
木曜はカレー

各々の得意メニューだ。
分かってる。
久和田常務はイタリアで修行していた時期があって。
本田専務は実家が料理店で。
安藤専務は料理が趣味で、今でもファミレスでバイトをしていて。
政行も調理師の資格を持っていて店もしている。


茫然と見ていた。
どの位、そこに居たのだろう。
政行の声が聞こえてきた。
 「あ、高瀬。大丈夫だった?怪我は無い?」
 「お前、これは」
 「皆が手伝ってくれるって…」
 「政行…」
 「なに?」

思わず、ギュッ…と政行を抱いていた。
 「お前の方こそ、こんな怪我をさせてしまって…。申し訳ない」
 「大丈夫だよ。で、社長は?」
 「大丈夫だ。もう少し、このまま抱かせてくれ…」

照れるね…、と政行の呟きが聞こえてくる。


しっかりと政行を抱きしめ安心した高瀬は、政行を社長室に連れて行った。
その後ろを、重役たちがずらりと並んで付いてくる。

うーん…。
こいつ、一体何をしたんだろう…?












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納まるべきところに、納まった。
という事でしょうかね?_?
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