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俺の隣は。。。 (18)

翌日。
政行は自分で買ったスーツを着て会社に行った。
明智元常務に買って頂いたスーツは1週間後に出来上がるからだ。
運転手もいなければ秘書もいない。
だから、その分、気が楽なのは確かだ。
週2日を社食でやり、夜は自分の店をする。
昨日、あれから色々な話をしてくれて、俺も話していた。
この3ヶ月間で、会社の見方が変わったと。


嘉男さんからは、こう言われた。
 「店は夜だけで良いと思うよ。
気を張り詰めた会社役員仕事と、終わった後のリフレッシュな夜。
そして、濃密な深夜…、ぃっ…」
思わず叩いていた。
 「もう、直ぐ調子に乗るんだから」
 「どんな仕事でも、最初が肝心だ。程よい緊張感を持ってやっていけ」

その時に気が付いた。
 「うん、ありがとう」

言葉遣い。
お手本は、毎日、目の前に居るという事に。


スーツをプレゼントされたが、自分でも冬物を買った。
これらも1週間かかるそうだ。
ついでにコートも。


キュッとネクタイを締め直し、会社のエントランスから階段を使い5階に上がる。
昨日、明智からデスクワーク室の鍵を貰っていたので、それを使う。

ガチャ。

ドアを開き、中に入る。
自分の部屋になった机と椅子に挨拶をする。
 「おはよう。これからよろしく」


窓を開け、折り畳みカーテンを2枚開く。
とても天気が良い。



今日は社食の無い日だ。
今日する最初の仕事は、社食に関する事だ。
曜日を決め、メニューも考える。
店名も考える。

 『桑田コーポレーション 喫茶室』
いやいや、これは自分のだから、これかな。

 『カレーの辛さで冒険しよう屋 2号店』

いや、審議に掛けないといけないから、まだ無理か。

そういえば、骨皮、いや利根川専務に言ってからの方が良いか。

まあ、とりあえず。
社食日時は決まってる。
それだけでも書いてドアノブに引っ掛けておこう。
んで、骨…、いや、利根川に会いに行く。

デスクワーク室に鍵を掛け、社食の入り口のドアノブに札を引っ掛ける。


行くぞ!と、思って気合を入れようとしていたら声を掛けられた。
 

 「あ、あの…、お願いです。助けて下さいっ…」
 「え…、moi?」
フランス語交じりのカタコトな日本語に、フランス語で返してやる。
故郷の言葉で安心したのか、嬉しそうな声がフランス語で返ってくる。
 『ウィ』


政行の着てるスーツが上質なのは見て分かる。
だから、相手は声を掛けたのだ。
だが、声を掛けた相手が誰なのかは知らなかった。
当然ながら、政行の事を知ってるのは重役だけだ。
アスリートを止めて何年経ったことか。
だから、フランス人の若者は彼の事を知らなかったのだ。



明智元常務が言っていた。
 「社員と触れ合う重役は必要だ」という言葉。

政行は、自覚のないまま…、第2の明智になろうとしていた。


 









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政行の、初仕事。
\(*⌒0⌒)bがんばっ♪
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