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俺の隣は。。。 (17)

出来上がった部屋を見て、明智は誰よりも先に言ってきた。

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 「桑田常務、おめでとうございます。
社食もするとなると大変だけど、これからの活躍にエールを送ります」
 「ありがとうございます。あの、え…何ですか?」
違う、と明智は首を横に振ってる。
 「君は常務だ。そこは『ありがとう』だけで良い」
 「は、はい。気を付けます」
くすっ、と笑い言ってくる。
 「そこも、『気を付ける』で良いんだ」
 「うーん…。言葉って難しい」

 「小さい頃は言ってたのにな。
ああ、そうだ。
自分がルールになる。そういうつもりでいると、自然と態度や言葉に出る。
反感を持つ奴も居るがな…」
 「はい」

明智は言ってくる。
 「私は君がなってくれて嬉しいよ。
水泳バカの能無し坊ちゃんは社長になるより、常務の方が良い。
だが、その反面、常務は各部署と専務との板挟みになる。
大変だと思う。
コツコツとやっていくだけしかないんだ」
 「頑張ります。
あの引継ぎって必要ですよね?お願いします」
 「それもそうだな。
まずは、下の者に向かっての言葉遣いだな」
 「えー…、それは、ちょっと」
 「社長や専務相手なら、今の言葉遣いでも良いが…。
他の社員に対しては命令を下す立場の人間だ。上から目線の言葉で良いんだ」
 「もしかして、引継ぎって…、それですか?」
 「利根川君から教えて貰ってるんだろう?」
 「いいえ」


 「じゃ、まずは、その恰好からだな」
 「あ、着替えてきま…、あー…、着替えて、くる?」
明智は笑ってる。
 「はい、どうぞ」

紺色のスーツに着替えると、直ぐに言ってくれた。
 「よく似合ってる。他は持ってるのか?」
 「これとグレーです」
 「他は?」
 「その2着だけ」
 「少ないな」
 「そう思ったので、昨日買い足しましたよ。それに、シャツとネクタイは7本あります」

明智は、社食は曜日を決めてやれば良いと、アドバイスをくれた。
そうだね、自分の店もあるからね。

社員と触れ合う重役は必要だとも言ってくれた。
常務は専務と違い、日常的な事がメインな仕事だという事も。


そして、昼過ぎ。
政行は明智と一緒に昼食を食べると、高級ブティックに連れて行かれた。
政行の「???」な表情を読み取ったのだろう。
明智は言ってくる。
 「君の常務昇進祝いをプレゼントさせてくれ」
 「え、そんな…」


冬物のダークグレーと、淡くダークな紫色のスーツの2本。
それと、ネクタイとシャツも。
 「あ、ありがとうございます」
 「だから、そこは」
遮っていた。
 「言わせて下さい。今日だけは言いたい」

明智は微笑んで言ってくる。
 「仕事の掛け持ちは本当に大変だよ。体調を崩さない様にね」
 「ありがとうございます。あの連絡先を」
 「それは困る」
 「どうして?分からない事があれば聞くのは当然でしょ?」
 「君のやり方でやっていけば良い」
 「分かりました。爺ちゃんセンセーに聞きます。で、もう少し付き合ってください」

その言葉に、明智は笑い出した。
 「はははっ。懐かしい呼び名だな。なんだ、『執事』とは呼んでやらないのか」
 「あはっ…。その方がしっくりくるので。」
 「たしかに、親父も年だからな」
 「で、あの、他にも色々と話を聞きたいので、付き合って」
 「喜んで」

どうやら、政行の言葉遣いを自然と上から目線にさせているみたいだ。




その頃。
寝てるのか、居ないのか…。
利根川はドアの前で待っていた。












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政行が常務に?
でも、それだけでは無理だよ・・・
明智、教えてあげてよね
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