FC2ブログ

俺の隣は。。。 (15)

重役とか、それなりの知識と経験がある奴なら分かる。
その書類を渡して政行の反応を見ていた利根川は、やはりボスの子供だと再確認した。

社食タイムが終わる15時10分ほど前に、利根川がA4サイズのブリーフケースを持って来たのを見た政行は、溜息を吐いた。
 
 (はあ…。やっぱりさせる気なんだな)
だけど、土日は休みの完全週休二日制の会社だ。
しかも17時半きっかりに終わらない日は、その日のノルマが終わるまでは帰らせてくれない。
うーん…。
これが高瀬なら良かったのに、骨皮だからなぁ……。

だけど1週間程で、会社の概要と弱点が分かってきた。
元々指定で大学入学して、講義も出席して各試験も受けていたのだ。
頭が悪いというわけではない。

利根川も思っていた。
さすが水泳でコツコツとやってきただけのある奴だ。
頭の出来も良くなければ早稲田なんて入れないだろう。
それに…。
ボスというのは無理だが、俺は知っている。
こいつは、人を怒る事も出来る奴だと。
この分なら、ここで社食を作らせ常務として迎えるのも有りだな。
ふむ。
カレー常務とでも呼んでやろう。


約束の2週間は直ぐに過ぎた。
だけど、政行は常務としての認識は無いが、少しでも父親の会社の事が、どの様になっているのか。また、どこをどんな風にすれば良いのか。それらをきちんと把握していた。


ある日。
政行の父である社長は秘書に聞いていた。
 「高瀬。あれから政行はどうなった?」
 「利根川専務が任せて欲しいと言ってきたので、彼に任せてます」
 「あれからどの位経った?お前は把握してないのか?」
 「はい、してません。それより、そろそろ次の後を決めるべきだと思います」
 「まあ、それもそうだが…」


その週の金曜日の早朝会議。
そう、政行が社食をやり出して2ヶ月以上経った日だ。

政行は朝も早くから駆り出され、会議の朝食の用意をしていた。
社長と秘書、そして重役と秘書の計16人分の朝食だ。
利根川は政行に言ってくる。
 「そのまま寝てても良いぞ」
 「そう?それなら9時まで寝る」

そう、政行の社食+デスクワークは続いていたのだ。
社食を作らなければ、その日のノルマは17時半には終わる。
今日は朝食を作ったので昼食は作る気無い…。

月2回ある早朝会議の日はデスクワークだけにしているのだ。
デスクワークする時は、カッターシャツとスーツを身に付けるのが本来なのだが、今迄はシャツとスラックスだけだった。
だけど、その日は違っていた。

帰宅途中、政行は奮発してスーツ一式を2セット買ったのだ。
もちろん、普通の会社員が買いに行くような場所では無い。
政行は、坊ちゃんだ。
それなりの場所でしか買わない。

しかし、手元に来るのは1週間後だ。
なので、大学時代に就活スーツを買っていたので、それを身に付けた。


今迄は私服だったので気持ちが違う。

それに、書類だけでは分からない。
実際に自分の目で見て感じて、政行は各部署の事を書き留めた。
しかも、運よくリクルート週間だったみたいだ。
1週間の5日間を、リクルートスーツを身に付けた集団と一緒に午前と午後の数時間を各部署で過ごし、15時前には常務室に戻り私服に着替えて利根川と書類仕事だ。
2週間を、そうやって過ごしていた政行は、最終日は…、感想文を書かせられる時間は、5階にある常務室に逃げ込んでいた。








jinbutu02.jpg




ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

リクルート集団って・・・
政行君、就活ですか?
(*≧m≦*)ププッ
関連記事

0 Comments

Leave a comment