FC2ブログ

俺の隣は。。。 (10)

毎月、第1週と3週目の金曜日は早朝会議がある。
出席者は重役と、その秘書だ。
残暑という事もあり、スーツの上衣を脱いでる人も居る。

会議の議事録を見ていくと、人事異動(案)というのがあり、目を通していく。
高瀬の名前が載っている。
しかも、常務。明智常務の秘書に、だ。

社長秘書は3人居る。
その中でも、高瀬は仕事も出来、お気に入りだ。
(案)というのなら、俺は反対の意を示してやる。


皆で朝食を食べながら会議をしていく。
食べ終わると、次は人事の話になった。
社長の声がする。
 「…この名前は、同姓同名の人間が、他にも居るのかな?」
明智常務が、それに答える。
 「いえ、居ません。社長秘書をしている高瀬君の事です」
 「明智常務。高瀬は私の秘書だ」
 「分かっております。
私としては、彼にもっと刺激を与え、より一層、秘書として敏腕になって貰いたいのです」

それを聞いた高橋常務も黙っていない。
 「私は、彼の事を買っている。
明智常務の下でやるより、私の下でやって貰いたい」

そこから二人の常務は喧嘩腰状態になり言い合いし出した。


明智より高橋の方が、まだ良い。
だけど…。
思わず言っていた。
 「明智常務、高橋常務。喧嘩なら会議が終わってからしてくれ」
すかさず答えてきたのは高橋の方だった。
 「これは大変失礼いたしました」
 「高橋常務が名乗りを上げるのなら私も上げる。社長秘書の高瀬君を、私の秘書に」
明智は喚いてくる。
 「冗談じゃないっ!
私は人事育成部門のボスだっ」
 「それなら、己の意見で彼を縛り付けない事だな」
 「と、利根川君。君は誰に言ってるのかな?
君に専務としての地位を与え、教育してやったのは誰だっ?」
 「社長は、この案件をどの様に思われますか?」
 「おい!人の話を無」

社長の声が明智の言葉を遮る。
 「高瀬は私の秘書だ。私と一緒に海外に行き、何年でも仕事が出来る。
明智君、君の言いたい事は分かる」
 「それでしたら」
 「君の力も分かっている。だから他の2人を任せよう」
 「え…?」
 「他の2人を、高瀬並に教育してやって欲しい」
 「っ……」

社長が司会者に合図をだす。
司会者が口を開いた。
 「それでは、社長秘書の高瀬の名前を消して下さい。そして、新たに2名の社長秘書の名前を書き込んで下さい」


会議は予定通り8時に終わった。
部屋へ戻る者もいれば、談笑する者もいる。
高瀬が明智に近付いて行くのが見える。
 
声を掛けるつもりなのか?



 「常務、明智常務。…明智常務、常務っ」
 「煩いっ!だ…」
振り向くと、社長秘書の高瀬が自分を呼んでるのが分かった。
 「悪い。少しイラついていたんだ」
 「いえ…。あの、人事の案件についてですが」
 「私は、君が良かったのだけどね」
 「ありがとうございます。
私は色々な勉強を身に付けたいと思ってますので、勉強会とか、何かアドバイス等がありましたらお願いいたします。」
 「やっぱり君が良いな」
その言葉に高瀬は喜んでいる。
 「ありがたい言葉を掛けて頂き、嬉しいです」
高瀬は一礼した。
 「それでは」
 「ああ、ついでだ。口直しに、お茶でもどうかね」
 「え、いや、あの…」

常務は高瀬の背に腕を回してるのが見える。
自室に誘い込むつもりか。
冗談じゃないっ!
義昭、お前はおれのだ!!

明智の部屋に連れ込まれる前に助け出さないと。
そう思って駆け寄ろうとしたら声を掛けられた。
 「利根川君、10時からの会議なんだけど」

あ、そういえば今日は月1の専務会議だ。
すっかりと頭から抜けていた。



明智常務の部屋で高瀬はお茶を御馳走になっていた。
温かいお茶だ。
さっきまでエアコンを効かせた部屋に居たから、余計に喉が渇いていたのだ。
常務の部屋に入った事の無い高瀬は、社長室よりシンプルで狭いんだなと思っていた。
座ってるソファが大きい事にも気が付いた。

高瀬の隣に座った常務は、ソファの背もたれを倒す。と、同時に高瀬も倒れた。
 「え、う、うわ…」
 「9時前には戻してあげるよ」
 「じょ、常務…?」
 「お茶を、全部飲み切ったみたいだね」

にっこりと笑って、明智常務は高瀬の上に覆い被さってきた。












ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

え・・・
このホモ常務、高瀬をどうする気なの?
関連記事

0 Comments

Leave a comment