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俺の隣は。。。 (4)

※利根川視点※



 「どうだ?」
 「美味い…。最高だな」
 「それは良かったよ」

その時、軽快な音が鳴り響いた。
 「ドリアが出来上がったみたいだ」
そう言って、利根川はキッチンに入って行った。

少し待つと、美味そうな匂いがしてきた。
 「お待たせ」

テーブルの上に置かれたお皿は、5人分という感じの大きさに見受けられるほどの大きなグラタン皿だ。それを二人で取り分け乍ら食べるという形になる。
高瀬は、サンドイッチの入った入れ物の蓋を開ける。

 「頂きます」
二人の作った物を食べたり、ワインも飲みながら色々な話をしていた。

ご機嫌になっている利根川は、高瀬に急かされてドラムの話をして、楽器室に場所を移動する。
防音度をMaxにする。
 「ドラムしか叩けないんだけど…」と、前置きしてドラムの椅子に座る。
ご機嫌な高瀬の声が聞こえてくる。
 「ドアのブザー音を聴かせて」と。
その言葉に、利根川は短く返した。
 「ドラムのソロなんだ」
そう言うと、ドアホンにしたドラムのソロを叩きだした。


5分間という時間だけど、初めて利根川のドラムを聴き、その姿に高瀬は興奮していた。
 「カッケ―…」
 「ありがと」
高瀬は思い付いた言葉を口にしていた。
 「そういうのをドアホンにしてると泥棒とか入らないだろうな」
 「ははっ…。驚いて逃げるかもな」
 「なあなあ、俺のとこも付けたい。付けてくれないか?」
 「え?」
 「あ、そうだ。着信音にしても良いな」

着信音。
それは、いつも耳にしてくれる、という事だ。
高瀬は知らない。
俺の思い人は高瀬だ、という事に。
知らないから言える言葉だ。

 「なあ、どう思う?」
 「考えとく」
これしか言えなかった。


結局、取引先から貰った2本と、利根川の持ってる焼酎を氷分りにして飲んだ。
2人ともゴザに寝そべっていた。
いわゆる雑魚寝だ。

でも、何か違う。
利根川は、自分と同じくスラックス一丁になってる高瀬の身体に目を向ける。
泳ぐ事を止めてから、脚に負担のかからない事をしているみたいだが…、あの頃より太ったな。

利根川は心待ちにしていたシチュエーションなのに、それでも我慢していた。
酔いに任して抱くだなんて、ポリシーに反する。
それでも、触れたい。
その衝動には逆らえなかった。
高瀬の身体のラインをなぞり、上半身から下半身へ。

 「よしあき…」

目を瞑り、息を整える。
抱くわけでは無い。
触れるだけだ。

顔を近づけ、高瀬の口とは微かな距離を置く。
少しの間、そのままにしていたが起きてこないみたいだ。
頭を下げ、利根川は軽く触れるか触れないかのキスとは言えない程度に触れる。

それでも高瀬は起きてこない。
まあ、飲み助で酔っぱらってるのだから、明日の朝までは起きてこないだろう。

そう思うと、今度は先程のキスより強く押し付けた。
額と頬に。
目を覚まさない高瀬に微笑み、今度は鼻の頭にキスを落とす。
唇は、まだしない。

その代り、うなじに顔を埋めた。

高瀬。
お前が好きだ。
今度は酔って無い時に、素面の時に抱くからな。












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利根川の心情ですね

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