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俺の気持ちはブレない (44)

政行がレントゲン室からロビーに戻ってきて10分後、結果説明を嘉男と共に聞いていた。
 「申し上げにくいのですが…。暫らくの間、ドクターストップを掛けさせて貰います。
右側は全くの無傷で大丈夫なのですが、様子見として2週間程、検査入院して下さい」
 「え、何処で?」
 「ここで、です。何かご不便でも?」
 
マンション近くの病院をと思ったが、政行は思い直した。
 「いえ、大丈夫です。何時からですか?」
医者はカレンダーを見ながら言ってくる。
 「明日、部屋を用意しますので」
 「それなら、明日の夕方からですね」
 「そうですね。宜しいでしょうか?」
 「はい、お願いします」


ロビーに出ると、嘉男は声を掛けてくる。
 「政行…」
 「勝手に決めて御免なさい。でも、あの家の騒動をマンションの近くで起こしたくない。
これ以上、巻き込みたくないんだ…」
 「その気持ちは分かるよ」
 「御免なさい、それとありがとうございます。
マンションに戻ったら入院に必要な物を用意しないとだね」

駐車場に向かいながら政行は聞いていた。
 「ところで、どうやってここに来たの?車?」
 「あの秘書の車」
 「高瀬か…、うーん…、まだ居るかな……」
 「それとも、家に来るか?」
 「家って…?」
 「親父の家」
 「え、何で…」
 「俺の車は、親父の家に置きっぱなしにしてるんだ」
それを聞いた政行は引いていた。
 「なんか危なさそう…」
 「言ったな。ま、運転手は俺では無いがな」
 「あ、でも爺ちゃんセンセーに言いたいから戻る」


二人して桑田邸に戻ると、政行の父が居た。
 「え、なんでこんな時間に…」
 「執事から連絡貰った」
 「明日から2週間、入院するから」
 「君は、新田の息子さん?」
 「はい、そうですが…」
 「家の事で巻き込んでしまい申し訳なかった。悪かった…」
深く礼をしてくるのを見て、嘉男は言っていた。
 「俺は億単位の金を用意しろと言ったのですが…。払って貰うのは、あの女です」
嘉男は件のビデオテープを渡した。
 「これの元はセキュリティ会社や、うちの会社にもあります。先程行った病院の先生にも見て貰いました。お渡ししますので、持っていて下さい」


政行の父はそのビデオの包装を見て呟いてる。
このマークは、あいつの所か…。

嘉男の顔を見て言ってくる。
 「ここのは信頼に値する所だ。どの様にして、ここと契約したんだい?
もしかして父親絡みかな?」
その言葉に嘉男は素直に返した。
 「はい、父親絡みです」

成程、5人の中では、あいつが一番仲良かったからな…。



そう、そのセキュリティ会社とは…。
独特のマークが付いているのだ。
Satoru_banner.jpg
 
変なマークだけど、これは立派な印だ。
訳すと、こうなる。
 『Satoru_F_Yamaguti』

たしか、私も作って貰った事あるな。
あの時は、新田が頼んで作って貰ったっけ。
桑田耕平をローマ字Ko-hei_Kuwadaにして、あるフォントに変えて作ってくれたらしい。
Ko-hei_Kuwada.jpg
 
自分を含めた5人は、こいつのマークを4年間見てきた。
再び目にすることが出来、政行の父は過去に思いを馳せた。

 「医学部であり大学ボスの左腕である、日米ハーフのサトル」
そいつは、そう呼ばれていた。
お澄まし野郎とも呼ばれていた。
たしか、今は自分でコンピュータで仕事をしているらしい。




 「あ、爺ちゃんセンセー」
政行の声が物思いに耽っていた父親を現実に引き戻した。
 「いかがでしたか?」
 「明日から2週間入院するから、心配かけて御免なさい」
 「高瀬様が、まだいらっしゃいますよ」
 「何処に?」
 「南の庭園です」
 「ありがと」


政行は嘉男に右手を差し出す。
嘉男は、なんとなく分かるが、それでも聞いていた。
 「なんだ?」
 「手を引いて」
 「甘えん坊が…」
 「違うよ、俺様になってみたいの」
 「ったく、こいつは…」

高瀬を見つけて入院する事を伝えた政行は、高瀬の運転する車で仕事場に戻った。
なにしろ、荷物は仕事場に置きっぱなしだったからだ。




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