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俺の気持ちはブレない (26)※東京オリンピック※

そして4年後、政行27歳の夏。


アサミは嘉男を急かしている。
 「早く、早くっ。こっちですよっ」
 「はいはい」


司会者と解説者の声がマイク越しに聞こえてくる。
 『……、4レーンはアメリカのデイブ、5レーンはフランスのホーキンス、6レーンはカナダのクリス、7レーンは日本のクワダ。
 -いやあ、流石オリンピック、名立たるスイマー揃いですね。

 ねえ、スランプから脱っしたと言われるデイブの泳ぎが見ものですね。
 -スランプと言えば、日本の桑田政行はどうなんでしょうね?

 彼は三期ぶりですよね。
 -ですよね、あの頃は最年少なのに沢山メダルを取って世間を騒がせてましたからね。

 それと、クリス。彼もですね。
 -オリンピックしかカナダから出国しない王様ですからね。

 あ、いよいよ始まりますよ』


Ready... パンッ!

 『一斉に飛び込みましたっ。
7レーンとも皆速いですっ。と言ってる間に、4,5,6,7レーンの4人はターンも終えてますっ。
しかし、他の3人も速いっ。
 先頭の4人は軒並み揃って最後のターンッ!
これはっ…、アメリカかフランスかカナダか日本かっ!』

 『カ、カナダが頭一つ出ましたっ。しかし、日本が追いかけるっ。
い、いったー!!
素晴らしい泳ぎですっ。12年ぶりのオリンピック出場でいきなりの金を取った日本っ!
次いでカナダは銀!そしてアメリカ、フランスは同着ですっ。
 -凄いですねー!

 彼は、今季は何個手にするのでしょう。楽しみですね。
 -でも、他のスイマーたちも楽しそうですね。

 その様ですね。ご覧ください。皆が笑顔でハイタッチしていますっ。
 -恐らく、皆で彼に『オリンピック復帰おかえり』とでも言ってるのでしょうかね?

 そんな感じですね。
桑田選手、お帰りなさい。』


 『それでは、ここで残り2名のスイマーのご紹介です。
カナダのクリス選手。
カナダの王様ですが、実力スイマーでもあります。
現在は、私設のスポーツセンターを経営してます。
そして、日本の桑田選手。
12年ぶりのオリンピック復帰ですが、最年少でありながらでも実力スイマー。
現在は都内のスポーツジムに所属勤務しております。
 -どちらのスポーツジムですか?

 こちらの書類には、こう書かれてます。『MEN'S スポーツジム』本店勤務、と。
 -男限定ですか?

 たしかニューヨークにもありますよね?
 -あっちは支店だよね』


 『あ、次は女子です』


観客席では、アサミと嘉男が興奮状態で見ている。
 「やっぱり凄いっ!私が水泳を本気で始めたのは、彼の泳ぎを見たからですよ」
 「え…」
 「最初は、兄が行ってるから行き始めたのだけど…、彼の泳ぎを見て、凄いなと思って。
あれから、本気で取り組みましたね」



一方、こちらはニューヨーク。
テレビでオリンピックのニュースを見ている。
ボスであるマモルはユウゴに聞いてる。
 「ねえ、日本に桑田って居る?」
 「そりゃ、たくさん居るだろ」
 「本店に、だよ?」
 「客なら居るだろ」
 「スタッフだって…」
 「知るかよ。俺は4年もこっちに居るんだぞ」
 「本店勤務してるってさ」
 「誰が?」
 「水泳の桑田政行…」
 「俺はジムの方だったの。水泳は、新田政行なら知ってるが桑田政行は知らねえな」
 「新田政行?」

だが、ユウゴは無視してくれる。
 「はあー…、政行君、会いたいなー」
 「ああ、あの政行ね。新田って言うのか…」
 「日本ニュース、疎いよな…」
この冬にでも戻ってみるか。
ユウゴの言葉を聞き、マモルはパスポートの更新を思い出し一緒に行く事に決める。



その年の12月下旬から2週間の休日を取ったユウゴと、1ヶ月早めにパスポート更新をするマモルは日本に帰国した。その足で二人は本店を目指す。
久しぶりの日本で迷子になるマモルをそっちのけでユウゴはさっさと行く。
本店が見えると駆け足になるユウゴは、先にジムの方に行く。

バンッとドアを潜り抜けると、ストップを掛けさせられた。
 「いらっしゃいませ、と言いたいが…、この時間は、ま」
それを遮ってやる。
 「ヒカル、俺だ」
 「え・・・?」

ヒカルと呼ばれた人は、まじまじと見る。 
 「え!嘘、ユウゴ?」
 「久しぶりー」
 「まあ、ユウゴったらイイ男になって…」
 「なに、今更言ってんだよ…」

マモルの声がする。
 「ああ、やっと着いた。ユウゴ、先々と走らないでくれる?」
 「お前の足が短いんだよ」

ヒカルはユウゴに聞いている。
 「ユウゴ、この人は誰?」
 「ニューヨーク支店のボス」
 「え?ちょ、ちょっとアポとか・・」

 「俺は2週間の冬休みだ」とユウゴが。
 「お気遣いなく。私はパスポート更新で帰国したので」と、ニューヨーク支店のボスが言ってくる。


事務所に向かって走っていくユウゴの後を追いかける様に走るマモル。
その二人を見て、ヒカルは溜息を吐いていた。
 「ユウゴは、本当に相変わらずだな」




☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★
それから4年後。
場所は、日本で行われる東京オリンピック会場!

そして、その冬。。。


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