俺の気持ちはブレない (16) ※そして、アメリカへ!!※
そして、7月。
毎年、7月下旬から2週間は夏季休暇になる。冬期休暇が無いので、長期間の休みが取れるのだ。Wワークしている人は、そちらに精を出す。していない人は、ゆっくりと過ごせる。
所長であり恋人の嘉男は、毎年、この時期はニューヨークに行く。
政行は、やっと気が付いたのだ。
日本にあるのは本店で、ニューヨークには支店がある事に。
嘉男が、政行に言ってきたのだ。
「俺は夏休みはニューヨークに行く。政行もおいで」と。
「ニューヨーク?」
「ニューヨーク支店に行くんだ。パンフレットを隅まで読んでないだろ」そう言って、パンフレットを渡してくれたのだ。その時、嘉男さんが社長だという事も知ったのだ。
そして、現在。
日本から遠く離れたアメリカの地に着いた。
ニューヨーク支店のボスをしている人が出迎えてくれてる。
「お帰りなさい」
「マモル、紹介しておく。一緒に来たのは今年入った新入社員だ」
「そうですか。初めまして、ニューヨーク支店のボスをしています。マモルです」
「初めまして、マサユキです」
溜息付いて嘉男さんは言ってくる。
「お前等、苗字が無いぞ…」
「あ、忘れてました…」
「ご、ごめんなさい」
くすくすっと笑いながらニューヨーク支店のマモル・ボスは言ってくる。
「いえいえ、私も言わなかったので釣られてしまったのですね」
「ごめんなさい」と、小声で返す政行だった。
嘉男がマモルに声を掛ける。
「早速で悪いが行きたい」
「はい、では車を持ってきます。お待ちください」
マモルの姿が見えなくなると、嘉男は政行に言ってくる。
「マモルはボスだけでなく営業やコーチもしている。言葉がきつい時もあるが気にしなくて良い」
「はい…」
「俺は半分ほど仕事だけど、政行はどうする?」
「行ってみたい」
駐車スペースに向かい乍ら、衛(まもる)は毒づいていた。
お帰りなさいと言ったのに無視された。今迄は無視される事は無かったのに…。
しかもアサミではなくペーペーと一緒に来ただなんて…。
マサユキ、ね。
抜けてる感があるが、ニューヨークでは人は消える場所だ。
大事件で無い限り、警察は動かない。
車を近づけてると、ボスが隣の男と仲良く話をしてるのが目に映る。
パッパーンッ!
クラクションを鳴らすと、こちらを振り向いてくれる。
右手を上げて微笑んでくれる。
マモルは、その微笑に、ゆっくりと車を近づけて少し手前で停める。
荷物を持った二人の男は後部座席へ座る。
後部座席に顔を向け声を掛ける。
「それでは飛ばします」
「よろしく」
政行は、はい、と言いながらシートベルトを締める。
車を運転しながらマモルはボスに大まかな事を報告している。
政行は車窓から外を見ていた。
ケネディ国際空港。
マンハッタンには、クィーンズにある地下鉄でクィーンズ周りと、ブルックリン周りの二通りの行き方がある。
その近くには、もう一つ空港がある。
ラガーディア国際空港。
ケネディ国際空港と同じクィーンズにある。
そして、ニューヨークにはもう一つ、合計三空港がある。
ニュージャージー州にある、ニューアーク国際空港だ。
大学に入学して、直ぐの大会ではニューアーク国際空港の近くにあるスイミングセンターで国際親善大会が催され、そこで優勝を取ったっけ。
デイブと一緒に競って、負けたら勝者にBBQを奢るという賭けをしていたんだ。
あの時はデイブに奢って貰った。
デイブ、デイブ・クラーク。今頃、どうしてるのかな。
それと、リトル・トーキョーのスイミングプール。
カナダのモントリオールにあるオリンピック公園のスポーツセンター。
あそこでは本当にお世話になったな。
夏休みの間は、お邪魔して泳がせてもらって子供達にコーチしていた。
覚えていてくれてるだろうか。
嘉男さんとは違い、俺は仕事では無い。
観光だ。
リトル・トーキョーに行ってみようかな。
そういえばサンフランシスコで開催された国際親善大会にも出場したな。
あの時はタッチの差でデイブに負けてBBQを奢ったっけ。
お互い、世界しか見ていなかった。
でも、俺はスランプに陥ってしまった。
それでも、泳ぐ事は諦めてないよ。
デイブ、君と会って話がしたい。
ケネディ空港から車を飛ばす事、約1時間。
マモル・ボスの運転する車は、ある建物の地下へ入って行った。
地下にある駐車スペースに車を置き、エレベーターに乗る。
目的地は最上階だ。
その間、俺は所長に延々と説教されていた。
「いくら仕事でないと言っても、ここはアメリカだ。
日本では無い。
ボサッとしてると事故に遭うし、痛い目にも遭う。
分かってるのか?政行!」
「わ、分かってます」
どうやら車の中で俺に話しかけてたらしく、それに気付かず窓の外を眺めてスルーしていた俺に腹が立ってるらしい。
ニューヨーク支店のマモル・ボスはフォローを入れてくれる。
「まあまあ。誰もが皆、ボスの様にパワフルでは無いのだから…。
それに時差もあるし、飛行機の中では寝れなくて疲れたでしょ?
ゆっくりされて良いんですよ」
「ありがとうございます…」
その日は、昼食を食べると眠くても我慢していたせいか、早めに夕食を食べ終わると直ぐに寝入っていた。
所長の呟きなんて聞こえない。
「…ったく、グッスリだな。これでは、エッチ出来ないではないか…」
毎年、7月下旬から2週間は夏季休暇になる。冬期休暇が無いので、長期間の休みが取れるのだ。Wワークしている人は、そちらに精を出す。していない人は、ゆっくりと過ごせる。
所長であり恋人の嘉男は、毎年、この時期はニューヨークに行く。
政行は、やっと気が付いたのだ。
日本にあるのは本店で、ニューヨークには支店がある事に。
嘉男が、政行に言ってきたのだ。
「俺は夏休みはニューヨークに行く。政行もおいで」と。
「ニューヨーク?」
「ニューヨーク支店に行くんだ。パンフレットを隅まで読んでないだろ」そう言って、パンフレットを渡してくれたのだ。その時、嘉男さんが社長だという事も知ったのだ。
そして、現在。
日本から遠く離れたアメリカの地に着いた。
ニューヨーク支店のボスをしている人が出迎えてくれてる。
「お帰りなさい」
「マモル、紹介しておく。一緒に来たのは今年入った新入社員だ」
「そうですか。初めまして、ニューヨーク支店のボスをしています。マモルです」
「初めまして、マサユキです」
溜息付いて嘉男さんは言ってくる。
「お前等、苗字が無いぞ…」
「あ、忘れてました…」
「ご、ごめんなさい」
くすくすっと笑いながらニューヨーク支店のマモル・ボスは言ってくる。
「いえいえ、私も言わなかったので釣られてしまったのですね」
「ごめんなさい」と、小声で返す政行だった。
嘉男がマモルに声を掛ける。
「早速で悪いが行きたい」
「はい、では車を持ってきます。お待ちください」
マモルの姿が見えなくなると、嘉男は政行に言ってくる。
「マモルはボスだけでなく営業やコーチもしている。言葉がきつい時もあるが気にしなくて良い」
「はい…」
「俺は半分ほど仕事だけど、政行はどうする?」
「行ってみたい」
駐車スペースに向かい乍ら、衛(まもる)は毒づいていた。
お帰りなさいと言ったのに無視された。今迄は無視される事は無かったのに…。
しかもアサミではなくペーペーと一緒に来ただなんて…。
マサユキ、ね。
抜けてる感があるが、ニューヨークでは人は消える場所だ。
大事件で無い限り、警察は動かない。
車を近づけてると、ボスが隣の男と仲良く話をしてるのが目に映る。
パッパーンッ!
クラクションを鳴らすと、こちらを振り向いてくれる。
右手を上げて微笑んでくれる。
マモルは、その微笑に、ゆっくりと車を近づけて少し手前で停める。
荷物を持った二人の男は後部座席へ座る。
後部座席に顔を向け声を掛ける。
「それでは飛ばします」
「よろしく」
政行は、はい、と言いながらシートベルトを締める。
車を運転しながらマモルはボスに大まかな事を報告している。
政行は車窓から外を見ていた。
ケネディ国際空港。
マンハッタンには、クィーンズにある地下鉄でクィーンズ周りと、ブルックリン周りの二通りの行き方がある。
その近くには、もう一つ空港がある。
ラガーディア国際空港。
ケネディ国際空港と同じクィーンズにある。
そして、ニューヨークにはもう一つ、合計三空港がある。
ニュージャージー州にある、ニューアーク国際空港だ。
大学に入学して、直ぐの大会ではニューアーク国際空港の近くにあるスイミングセンターで国際親善大会が催され、そこで優勝を取ったっけ。
デイブと一緒に競って、負けたら勝者にBBQを奢るという賭けをしていたんだ。
あの時はデイブに奢って貰った。
デイブ、デイブ・クラーク。今頃、どうしてるのかな。
それと、リトル・トーキョーのスイミングプール。
カナダのモントリオールにあるオリンピック公園のスポーツセンター。
あそこでは本当にお世話になったな。
夏休みの間は、お邪魔して泳がせてもらって子供達にコーチしていた。
覚えていてくれてるだろうか。
嘉男さんとは違い、俺は仕事では無い。
観光だ。
リトル・トーキョーに行ってみようかな。
そういえばサンフランシスコで開催された国際親善大会にも出場したな。
あの時はタッチの差でデイブに負けてBBQを奢ったっけ。
お互い、世界しか見ていなかった。
でも、俺はスランプに陥ってしまった。
それでも、泳ぐ事は諦めてないよ。
デイブ、君と会って話がしたい。
ケネディ空港から車を飛ばす事、約1時間。
マモル・ボスの運転する車は、ある建物の地下へ入って行った。
地下にある駐車スペースに車を置き、エレベーターに乗る。
目的地は最上階だ。
その間、俺は所長に延々と説教されていた。
「いくら仕事でないと言っても、ここはアメリカだ。
日本では無い。
ボサッとしてると事故に遭うし、痛い目にも遭う。
分かってるのか?政行!」
「わ、分かってます」
どうやら車の中で俺に話しかけてたらしく、それに気付かず窓の外を眺めてスルーしていた俺に腹が立ってるらしい。
ニューヨーク支店のマモル・ボスはフォローを入れてくれる。
「まあまあ。誰もが皆、ボスの様にパワフルでは無いのだから…。
それに時差もあるし、飛行機の中では寝れなくて疲れたでしょ?
ゆっくりされて良いんですよ」
「ありがとうございます…」
その日は、昼食を食べると眠くても我慢していたせいか、早めに夕食を食べ終わると直ぐに寝入っていた。
所長の呟きなんて聞こえない。
「…ったく、グッスリだな。これでは、エッチ出来ないではないか…」
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