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俺の気持ちはブレない (3) ~4月1日、仕事初日~

そうこうしているうちに、4月に入り、4月1日は仕事始め。

無理にスーツで無くて良い、と言われていたが、それでも気持ちだけでもスーツだ。
なにしろ、着いたらすぐにユニフォームであるポロシャツと短パンに着替えるからだ。
14時過ぎに家を出て、仕事場となるスポーツジムに着いたのは5分後。
14時半からは正社員スタッフだけでの館内の掃除から始まる。
アルバイトは夜の19時からで、帰る時にトイレ掃除をする。


人事担当者は、俺に色々と説明してくれる。
昼間は高校生が授業の一環として泳ぎに来るので、来ない時は自主練の時間です。
近隣には男子校が二校あり、水泳とマシンジムを隔週で設備もろとも貸していて、それで月に幾らかを利用料金として頂いてます。
今は春休みなので、会員さんだけが来られてます。
事務や営業も、この昼間の時間を使ってやってます。
そして、18時から18時50分までは夕食タイムです。
君は水泳経験者だから一から教えなくても良いと思いますが、子供と成人相手では少し勝手が違うので研修期間を設けます。昼間の時間を利用して、1週間を研修期間とします。

あ、そうそう。
スタッフはジムの方が人数が多くてね、水泳は所長と私の2人だけ。その代り、アルバイトは3人共水泳なんです。

そう言って、ポロシャツと短パンを渡された。
海水パンツは競泳用なので、研修用にと持って来た自分のを履く。
その仕事場での海水パンツはSpeedoを利用してるみたいだ。


人事担当者が所長に何か言ってるみたいで、着替える様に言ったのだろう。
3人一緒に揃ってロッカーに着替えに行く。

ちなみに、所長の海水パンツはarenaで、人事担当者のはmizunoだ。
政行のはasics(アシックス)だ。履き心地が良くてピッタリとフィットするので好きなメーカーだ。
もちろん、アリーナもミズノも競泳用としては有名で、俺も持っている。

家から持って来たバスタオルとゴーグルを持ってプールに向かう。
オフィスを横切って行くのだが、白のキャップが机の上に置かれてある。
白のキャップには、マジックで名前が書かれている。
 『マサユキコーチ』
桑田でもなく、名前の方だ。
ここでは、俺は俺なんだ。桑田耕平の子供でもなく、水泳バカの桑田でもない。
『マサユキ』という、一人の人間なんだ。
そう思うと、俺はここで頑張れる。
それを持ち、スタッフルームからプールエリアに足を入れる。
一礼をして、スタッフ専用のタオル掛けポールにバスタオルを掛けると、シャワールームに向かい頭から浴びる。顔に付いた水滴を掌で拭き取るとキャップを被りゴーグルを掛ける。

人事担当者が声を掛けてくる。
 「ああ、そうだ。言い忘れてました。ここではコーチ呼びになります。
君はマサユキコーチだが、ジムの方にもう一人居るんですよ、桑田コーチが。
で、私は清水朝巳。シミズがもう一人居る為、私はアサミコーチです。所長は、そのままニッタコーチです。」
 「はい、分かりました。よろしくお願いします。ニッタコーチとアサミコーチ」
 「はい。こちらこそよろしく」と、アサミコーチが。
 「ああ、よろしく」と、ニッタコーチが。
それぞれが返してくれた。


アサミコーチが声を掛けてくる。
 「それでは、まず最初に2本いきます。お好きなのでどうぞ」
仕事場であるプールは、25mが5コースある。
サウナと風呂も付いてるので、区内では贅沢な感じを受けさせるプールだ。
だけど、少しでも贅沢感や癒しの時間を持つには十分な所だ。

2本ね、好きなのって言ってたよな。
スタート台に上り、台の先端に足指を置く。
心の中で号令を掛け、スタート台を蹴る。

バシャッ…!

泳ぐのは好きだ。
一番好きなのは平泳ぎだ。
だが、最初の1本は自由で2本目に平泳ぎだ。
所長が苦笑しながら言ってるが、政行の耳には届いてない。
 「さすが早いな…」
人事、いやアサミコーチも、
 「本当、こんなにもフォームが綺麗だなんて…」
眼福もんです、とまで言ってる。


2本泳ぐと声を掛けられる。
 「それでは、研修を始めますよ」
 「はい」
そうだ、泳ぐだけでなくコーチの仕事がメインだ。

アサミコーチの近くに寄ると、いきなり言われた。
 「それでは、私達二人に指導して下さい」
 「え…、いきなりですか?」
 「はい」
アサミコーチは、にこやかに「はい」って言ってくれるが、え……。
所長に目をやると、頷かれる。

うし!と小声で力を入れ、拳を握る。
所長のキャップには「ニッタ」と書かれてある。

顔を上げ、二人に声を掛ける。
 「それでは、ビート板を持って来て下さい」

はい、と返事が聞こえプールからプールサイドへと上がる。
が、一人しか動いてない。
その動かない人に向かって、俺は再度言ってやる。
 「ビート板を持って来て下さいね」

だが、そいつは口を動かすだけだ。
 「アサミ、俺のもよろしく」
だが、俺は即答していた。
 「ニッタさん、自分のは自分で持って来ましょうね」

アサミコーチは笑ってる。
仕方ないね…と言いつつ、ニッタさんはプールから上がる。


なんか、凄く緊張感があるのだけど…。
俺、大丈夫かなあ……。












☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
さて、4月1日は入社日。
無事に社会人になった政行は、マサユキコーチとしてスポーツジムの水泳コーチとして働く。


あ、水泳知識は私が水泳コーチしてた頃のを書いていってます。
昔と現在では違う表現あると思いますが、そこは目を瞑って下さい
ヾ(>▽<)o



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