FC2ブログ

俺の気持ちはブレない (2) ~心の叫び~

結局、名前を思い出せずに抱きしめられたまま寝ていた。
目を開けると、目の前には無造作にボタンが留められては見え隠れしている胸元。
ああ、夢では無かったんだ。
抱かれ心地も囁かれ心地も良い。
同年齢とは思えないほど整った顔立ち。
でも、寝顔は可愛いな。
襲ってみたくなる。
今迄は泳ぐことしか興味は無かった。
人との付き合いも、あの5人が居れば十分だった。
ましてや女との付き合い、恋愛なんてまるっきり興味は無い。

そういえば、あのスポーツジムも男限定だよな。
女性限定のスポーツジムがあるから男限定があっても良いのではと思い創った、と人事担当者が話してくれたのを思い出す。

俺、子供相手だけしか教えてないのだけど、成人相手だと教え方とかは違うのかな。
やっぱり、その……。
そんな目付きで、そんな思いで泳ぎに来る人は多いのかな。
なんか、今になって不安になってきた。
あ、でも自分はコーチだという自覚を持って接していれば良いのかな。
分かんないけど、他人を寄せ付けないオーラを出してれば良いんだろうな。

しばらく悶々と考えていたら声が聞こえてくる。
 「何を考え込んでいるんだ?」
おい、聞いてるか?
俺の身体を色々と弄ってくる、その声の持ち主に聞いていた。
 「何をどうやったらこんなになるの?」
 「何がだ?」
 「この肉付きに腹割れ」
 「政行も付いてるし割れてるぞ」
 「いや、でも…羨ましい……」
 「朝から抱かれたいか…」
思わず、その隆起した筋肉に触れていた。
ビクッ、ビクビクッ…。
身体が揺れ動いてるのを見てると、水泳だけでなくジムとの併用か、と思い当たる。

俺はマシンジムより水泳を希望したからな。
4月からは、この人の経営するスポーツジムで働く。
 「俺ね、他人からどう見られているのか分からないんだ。
子供相手なら教え方とかは分かるけど、成人相手だと接し方が分からない。もしかしたら、どさくさに紛れて身体を触られるのか、それとも襲われるのか。
今になって、そんな気持ちが出てきてる。俺に出来るのかどうか…。
何かミスしたらクビにされるのかな、とか思ったり……」
 「大丈夫だよ」
 「本当に?」
 「ああ、うちのスポーツジムに通ってくる人達は大丈夫だ。心配なのはスタッフの方だ。
1人居るんだよね、そんな奴が」
 「所長?」
 「バカッ、俺はお前限定なの。だけど、そいつはジムの方だから接触は無いと思う。
それに研修が有るんだ。スタッフ同士での指導方法やコミュニケーション等の研修もある。
子供とか成人とかは関係ない。
ただ、これだけは忘れて欲しくない。
スポーツジムというのは、通われてる客がいての仕事だ。
ミスをしないかどうかではなく、言葉使いには気を付けろ。
まさか、そんな事で考え込んでいたのか…」
 「そんな事で、と言われるけど…。こっちは初めての事で心配なんだ」
 「緊張感があるのは良い事だ。だが張り過ぎるのも緩過ぎるのも駄目だ。適度な緊張感を保持していれば良い。まあ、それは仕事しながら身に付けていくものだ」
今は俺だけ見ていれば良いんだ…。
そう言いながら、俺の胸に唇を触れてくる。
 「っ……」
 「まさ…」
 「ぁ……、だ、だめっ、今は駄目っ」
 「何で?」
 「手伝ってくれるんでしょ?俺一人だと中々片付かない」
 「それもそうだな。片付けを先にしてエッチタイムだな」
 「違うよ」
 「何を即答してくれるんだ」
 「先にご飯だよ。それで片付けて、エッチタイ……」
そう言うと、所長は微笑んでは返してくる。
 「それもそうだな、腹が減っては何も出来ないよな」


先ずは朝飯だ。
と思うと同時に、食材が無い事に気が付きスーパーで買ってくると言って俺は買いに行った。
朝食は簡単な物にした。
トーストした食パンにレタスを置いて目玉焼きを乗せ、ケチャップを掛けて食べた。


徐に勉強部屋から片付けだした。
やはり一人より二人の方が早い。
本棚と机は設置してくれてるので、その本棚の隣には多目的棚6個を横長に2段にしてクローゼット寄りの壁に付ける。その上の壁には大判の世界地図を貼りつける。
ヒューッと口笛が聞こえるので振り向くと、所長だ。
 「中々の大判だな」
 「でしょ。これはね、ダーツの的にもしてるの」
 「ダーツ?」
 「そう、これ」と言って俺はダーツの弓矢を見せては的に向かって一本を放つ。
放たれた箇所は日本だ。
 「へえ、良い腕前だな」
そう言われると嬉しくなってくる。
ふと見ると、所長も弓矢を構えようとしているのが目に映る。
 「先に片付けてから遊びましょう」

次に、隣のクローゼットルームに取り掛かる。
カーペットは敷いてくれてるので、後はパイプを繋ぎあわせて衣類のハンガーを掛けていく。
藍物、夏物、冬物に分けて。
そして多目的棚2個を縦置きにしてアクセサリー類を置いていく。
ここでハタと気が付いた。
鏡が無い。
洗面所に行けば良いのだが、姿見は欲しいな。
なので買い出しリストを作り、書いていく。
姿見鏡。
そう書くと、他にも書き加えられる。
照明器具、カーテン。
それらは持って来た覚えがあるので、階段を下りてキッチンの後ろ側に段ボールが山積みされている中から見つけ出す。それを渡すと、足りない照明器具をリストに書いていく。



2階に上がると、背が高いのだろう。
椅子を使わず背伸びもしてない、余裕に腕を曲げてカーテンをカーテンレールに取り付けている男がいる。
俺も平均的だと思うのだが、その男の後ろにくっ付いて自分の手を頭の上に乗せ、相手の後頭部の真ん中より下あたりに自分の手が位置する。  
何かを感じたのだろう、振り向いた相手は怪訝そうな表情をしている。
 「何してるんだ?」
 「う………」
 「その手は何だ?」
 「俺180なんだけど…、この位置って………」
言いたい事が分かったのだろう。
ふっと鼻で笑われ、頭をポンポンと叩かれる。
 「政行は可愛いねえ。俺は194だよ。ついでに言うと、明日で23だ。政行より一つ年上だよ」


ぐっ…。

言葉に詰まってしまった。
日本人で190越えの奴が居るとは…。
 「せ、せめて8センチほど譲って欲しいっ」

そいつは笑いながら言ってくる。
 「ははっ…。政行は俺に抱かれてば良いんだよ。」
こんな風にね、と。

俺は、すっぽりとその腕と胸に抱きしめられてしまった。
く、悔しいー。

その後ランチを食べに出かけては、その足で買い物リストを見ながら買い物をしていく。
この近辺にはスイーツの店が無い事に気が付いた。
これって、パンケーキの店よりもスイーツ店の方が良いかもしれない?











☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
そして、翌日。
政行は、嘉男の身長の高さを知り、思わず放った心からの言葉。
 「せめて8㎝欲しい」


あの、言って良いですか?
私も、せめて8㎝欲しい~!!




ポチッと押してくれると嬉しいです↓↓↓

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村

小説(BL) ブログランキングへ


関連記事

2 Comments

ますみ  

No title

私もーっっ!
150ぎりぎりだと、小学生にも負ける・・。悔し
スポーツの世界だと、上背があるって得なんでしょうね。

あ、もしハンガー追加することがあったら、回転式ハンガーなんかが良いですよん。
断捨離、苦手だからなあ。今、時期的に植物がとっても欲しくなってるけど、我慢よ! って自分に言い聞かせてます。。

2016/03/31 (Thu) 10:41 | REPLY |   

あさみ  

Re: No title

ますみさんへ

私も、隣家の小学生に負けてます(-_-;)
家族の中では、2年前までは4人家族の中でまだ3番目だったのですよ。
それが、何時の間にか一番のおチビちゃんに。。。


ますみさんは断捨離、苦手なんですね。
私は、バッサリいきます。
それでも、1年間は溜めますけどw


2016/04/01 (Fri) 09:21 | REPLY |   

Leave a comment