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二人のピエロ (62) ~エピローグ part2 ~

中国人が多く住んでるパースでは『ブラック・ドラゴン』は繁栄していた。
スポーツセンターとは言え、腕に自信のある人が多く所属する。
世界に名だたる武術である太極拳を始め、少林寺、八卦掌、合気道等の使い手が居るからだ。
柔道、空手、手刀等も。
通いに来る人達も中国人が半数を超えるが、それは幼児から年を召した成人まで幅広い年齢層の人達だ。


その『ブラック・ドラゴン』がオープンして数ヶ月後の年末近く。
クリニック・ボスである友明は、練習場となっていたクリニックの道場に、初めて足を向けた。
なにしろ、あの9人は元側付である5人よりもはるかに強く、『ブラック・ドラゴン』で師範しては道場に姿を見せなくなったからだ。

初めて足を踏み入れた道場は、所々が色褪せたり、ぶつかって出来たのであろうと思われる窪み等が見受けられる。

学生時代とは違う。
9人が勢揃いしても、まるっきり違う。
今では、皆が各々の仕事でボスをしては動いてる。

…何かしらの気配を感じる。
友明は、その気配に向かって言ってやる。
 「人間にとって一番の敵は、自分の心だ。逃げたくなる時もあるのが人間だ。
迷う時、泣きたくなる時もある。
あの頃とは違って、今の自分を寂しいとさえ感じてる。
こんな私でも、お前は側に居るつもりか?」

その気配は応じる。
 『我は考え決める。主は一人で十分だ』
 「私は、一人ぼっちだ」
 『知ってるか?ピエロとは誰かに相手して貰いたいゆえにお道化る者だ。
本来の自分を隠してな。
お前は死ぬまでピエロで居たいか?』
 「博人さん以外の人間に対してなら隠す」
 『即答か』

そう言うと、その気配であるソレは友明の身体に入った。
まるで優しく包み込むようでいて、友明の身体の隅々までソレは染み渡っては広がっていく。
 『あぁ……。今迄の中で最高に居心地が良い。
ああ、そうだ。泣きたい時は我が実体化して抱きしめてやるよ』
 「要らん」
 『ワハハッ。我が主はピエロ。だが、本来は強がりの泣き虫か…』
 「出てこいっ!殴り倒してやるっ」
 『ふっ…。お前は気持ち良い。
忘れるな、心の痛みというものを。それに勝てるのは、強い精神力だけだ』


そう言うと、ソレは友明の頭に意識を伸ばした。
それと同時に、友明の目からは涙が溢れ出る。
どれだけ溜まっていたのか分からないほど……。
涙が途切れると、左目は再び光を感じることが出来た。
だが、デコボコ顔は元には戻らない。
 『心の痛みを忘れるな』
そう言った宝石(いし)の思いからだ。
それに友明も思っていた。
顔が元に戻ると否応なく勘繰られる。
ピエロになるには、元の顔には戻さない方が良いと。

急に左目に光が戻り、眩しさを感じては立ちくらんでしまい、その場に倒れ込んでしまった。


色々な主を見てきた宝石(いし)はぐっすりと寝て欲しいと思い、道場に鍵を掛けた。
博人以外の人間を入らせない為にだ。
夢も見ないほどぐっすりと寝ては、目が覚めるとピエロの始まりだ。
その為の準備期間として寝させといてやる。


目が覚めると、心配そうな表情をした博人さんが居る。
 「博人さん?」
 「大丈夫か?」
 「あれ…」
 「道場で寝てたんだよ。珍しい事があるもんだな。何しに道場へ行ってたんだ?」


友明は道場での出来事を博人に話した。
 「え・・、嘘っ」
 「私はピエロになるつもりだよ。全てを隠してね。
でも、そいつにも言った様に、それは博人さん以外の人に対してだ。」
 「友がそれで良いのなら、私は良いよ」
 「ありがとう」
 「で、目を見せてみろ」
 「眼科医ではないでしょ?」

じっ…と見てた博人は言ってくる。
 「左目のガラスに、水晶体に私が映ってる…」
 「ほんと?」

思わず、そう聞いていた。
そしたら、右目を隠されては左目だけで見る様に言われる。
 「あ、ほんとだ。見える。博人さんの顔が、見える………」

見える…。
と、何度も何度も呟いていた。
博人さんなのか、自分なのかは分からないが、涙が出てる。
 「博人さん、泣いてる?」
 「ああ、嬉し泣きだよ。友も泣いてるし…」
 「うん。涙が出るのは両目ともだけど、嬉しい…。見えるって嬉しいね」
 「ああ、でも他は見なくても良いからな」


いきなり押し倒された。
しかも、寝技。
 「博人さん」
 「エッチタイム突入ー」
 「いや、これはエッチではなく寝技でしょ。ってか、ベッドで寝技を掛けてくるんじゃなーいっ」












☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
そして、エピローグ part2 です。

ついに、アレが動き出しました。
そう、だからこそのタイトル『二人のピエロ』なんですね。
そして。。。一体化しましたね~

その事を博人に言った友明。
これからどうなるのでしょうか?
(〃∇〃)



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