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二人のピエロ (21)~レン視線~

※レン視線※


なかなか隙が見つからない。
ポールの後を尾行しても、いつも撒かれてしまう。
どうやら、ポールはフラットに帰る時は、週の内の2日ほどみたいだ。
残りは、病院で…、仮眠室や図書室で過ごしては夜勤に入ってるみたいだ。
図書室ね…。
レンも図書室へ行ってみたが、蔵書数が多く、読書の苦手な自分には居心地の悪い場所だ。

その日も、ポールを尾けては図書室へ向かった。
ポールの愛読書は、もっぱらドイツ語の本だ。
ドクターだからドイツ語は必須だけど、自分には馴染みが薄い。ここは、やはり英語だろう。
英語の本のエリアに向かってると、声がドア越しに聞こえてきた。
 「…、まったく2人ともガンコなんだから」
ガラッと、近くのドアが開き目を向けた。
あ、あの人だ。

その人と、もう一人はポールを見ては言いだした。
 「あ、ポールが居る。丁度いい時に…」
 「ポール、お願いがあるんだ」
ポールはというと、その二人をチラッと見ては、溜息を吐いてる。
 「なんだ…。早速、こき使うつもりか」
 「ポール。私のガードマンとして、ある所に行って欲しいんだ」
 「本の虫と?」
 「名前で言ってくれる?」
 「名前なんて知らない」
 「ジョンッ!お前はどういう躾をしていたんだ?」
 「ウィル、私は監視役だ」

ジョン。
やっと、彼の名前を知った。
でも、もっと近付きたい。
何て言えば良いのか、心の中で言葉を考えて、声を掛けた。
 「あ、あれ…、偶然ですね」
こっちを振り向いてくれた。
 「あの、昨年は、道順を教えてくれてありがとうございました」
 「ああ…。どういたしまして」
 「レン・カー」
自己紹介しようとしてたのに、周りがそれを遮ってくれる。
 「ここに行こうとしてるの。そのガードマンに」
 「断る」
 「ポールッ…」
 「本当にあの『本の虫』ならガードマンは必要ないだろっ」
ジョンは、やれやれ…と呟きながら声を掛けようとする。
 「ポール。ウィルは卒業して何年も経ってるので身体能力が落ちてるんですよ。だから、ガードマンは必要なの」
 「それならジョンがガードマンすれば良いだろう」
 「無理なんですよ。ウィルの仕事の代わりは居るけれど、私の仕事の代わりは居ないんです」

ポールは、ジョンのその言葉に反応して立ち上がった。
 「ポール?」
 「思い出した…」
 「え?」
 「あの時も、それだった」
 「…そういえばそうでしたね。でも、あの時と今とでは違います」

 「本の虫」
 「ウィルだ」
 「私は行かない。他を当たれ」
 「居ないから言ってるのに…」
 「しかも、その場所…。私の大っ嫌いな所だ」
 「ポール…」
 「そこで聞き耳を立ててる奴にでも言えばどうだ?」
そう言って、図書室から出て行ったポールの後姿を見送っては、ウィルとジョンは溜息を吐いてはら呟いていた。
 「見るからに頼りなさそう…」


その人は、僕に向かって言ってきた。
 「はい、ミスター。私は、ウィル。君の知り合いでガードマン居ないかな?」
 「え・・、ガードマン、ですか?」
 「うん、そう」
 「いえ、知らないです」
 「そう、ありがとう。邪魔したね。ごめんね」
 「いえ…」

なんだったのだろう。
でも、今日は名前を知った。
ジョン、という名前か。
次に会ったときは、名前で声を掛けよう。
そうか、図書室に来れば会えるのか。
ポールも、ジョンって言ってたし、知り合いなのは分かった。
ポールは使える。



一方、ここはアメリカのヒューストン。
欧州でのコンピュータ会社の話と、パースへのリンク話が消えてしまった。
原因は分かっている。
サトルと縁を切ったからだ。

スーザンは、パースに行くか、日本に行って権力を取り戻すのに話を付けるかを悩んでいた。
だが、データベースにアクセスすると、自分のが更新されてる。
あの、バカサトルが…。
再婚した事も、子供の名前も書き加えてくれてる。
これだと、日本に行って話をしても、あの男は動かない。
だから、あの時1ヶ月も居たのか。
それならパースへ行こう。
まずはレンの勤務先だ。
そして、レンの情報を得ようとアクセスしたら…。


『レン・カーター(改名前は、ジョニー・カーター)
父親はダニエル・カーター
母親はスーザン・ウォルター(米・ヒューストンのWalters 病院 女ボス)
その二人の息子であり、妹が一人に、異父兄が一人。』

出だしが、こうだった。
それを見て、スーザンは驚愕した。
サトル…。
なんて事を・・、なんて事を、書いてくれたのっ!


スーザンは、夫であるダニエルに、「ジョニーがどこに居るのか分からない…。知ってたら教えて」と、話を持ち掛けると、ダニエルは即答してくれた。
 「ジョニーは、顔を怪我しては、オペ後にはナイスガイになっては、名前も変えてるよ。
しかも、スーザンが入院してた時に電話してきたのはジョニーだよ。」
ダニエルは、スーザンにジョニーの最近の顔写真を見せてくれた。

(この顔は・・・)
 「これがジョニー?」
 「そうだよ。俺も、最初は驚いた。でも、怪我をして、オペをするとこういう顔になった、とジョニーが言ったんだ。で、名前は『レン』だからな」
 「そう、『レン』ね…。私には、教えてくれなかったのね」


私は…、私は…。
あのレンが、ジョニーだなんて知らなかった。
そう、だからなのね。
だから、私に抱かれることに対して、あの子は嫌がってたのね。

それでも、これで堂々とパースへ行けれる。


レンは、ジョンを。
スーザンは、レイを。
二人は、狙いを定め動き出した。









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そして、レンはジョンという名前を知り。。。
スーザンはレイに狙いを定めて。。。

動き出す。



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