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二人のピエロ (12)~ポール視点~

トントンッ・・・、トントンッ・・・。

誰だ、と思いドアに向かってはスコープを覗き込んだ。
溜息付いたポールだが、ドアを開ける気は無い。
時計は、まだ7時半だ。

トントンッ・・・、トントンッ・・・。

自分のペースで支度をする。
慣れ合うのは好きではない。
相手にもよるが、トモなら直ぐにでも開ける。
ジョンなら…、溜息付きながらでも「いつまでもノックするんでは無いっ」と言いながら開ける。
でも、こいつは嫌だ。
レン・カーター。
私を利用してやろう、というのが見て取れる。

トントンッ・・・、トントンッ・・・。

ノックの音が煩い。

ピー、ピー…。
今度はケトルだ。

コポコポコポコポ……。
コーヒーを自分で淹れる。どんなにやっても美味しいのが淹れられない。だから、コーヒーはドリップではなく、インスタントで飲んでる。
そういえば、ジョンが淹れてくれたコーヒーも、そんなに美味しくは無かったな。
文句を言っても、苦笑しながら淹れてくれてた。

あの頃は良かった。
……いや、私はポールだ。



トモ、会いたい。
声が聞きたい。
それに、エドには会えない。
私の勝手な気持ちでオファーを断ったのだからだ。
なら、ヒロはどうだろう?
ヒロなら会ってくれるだろうか?

今日は14時までだから、その後でも…。
驚くだろうな。
でも、誰かに会いたい。
こんなに近くに居るのに…。

そこで思い出した。
ニックが居る。
大丈夫だろうか、私は彼を死んだ事にした。
あの銃撃戦で右腕を撃たれてはメスが持てなくなったからだ。
恨まれても仕方のない事だ。

考えた末、一番近くに居るジョンに決めた。
でも、あいつは何階に居るんだろう…。
そこから始めないといけない。

時計が8時になったのだろう、ピヨピヨと可愛い音が聞こえる。
出勤の時間だ。


もうノックは聞こえない。
身支度を終え、ドクターバッグを手に取る。

ドアを細目に開け、周りに注意を向ける。
誰の気配も感じない事を確かめ、ドアを閉めて鍵を掛ける。
ここから病院までは歩いて10分弱だ。

でも、しばらく経つと誰かに尾けられてる気がする。
横道に折れて木に登り覗いてみると、尾けてる人間が見えた。
キョロキョロとしている。

ったく、煩くノックしてきては、今度は尾行か。
まあ良い。
今日はこのまま枝伝いに行こう。

ポールは、そのまま枝から枝へと伝って病院の駐車場入り口に着くと、そこからは地面に降り立っては身支度を整えて、何食わぬ顔をして徒歩で病院内に入って行った。









☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
ポール視点の話です。

回想から現実に戻ったポール。
アンソニーは顔を変えた時点で死んだ。
今は、ポールだ。
ポールとして仕事をしてる。
そして、再び、話は進みます。。。



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