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【君と一緒に…】最終話 これから何処へ…

「おばさん、お願いがあります。」

「どしたの?」

「東京に行くことになりました。勝手な事だと承知してますが、保証人になってください。」

「東京?」

「はい、あの学校はクビになりました。」

「やっぱりねー。あれだけ騒がしたのだから、なるよね。
で、東京に行って、どうするの?」

「卒業した大学で教鞭を取ります。
先日、東京に行った際に話はつけて来ました。採用通知も頂いてます。」

「そっか、そういえば東京の大学だったよね。」

「はい。マンションを借りて住みます。その保証人になってください。
お願いします。」


無言だったが、リビングから出た気配がした。
ダメもとでお願いしたのだが、やはり無理か。
仕方ない、やっぱり教授にお願いしよう。
リビングから出ようとしたら、おばさんが戻ってきた。
彼女の手には、2人分のお茶を乗せたトレイを持っていた。
「俊ちゃん?」

「お邪魔しました。」


これで終わりだ。

その足で、警察署に行く。
彰は出勤らしく、自転車を駐輪スペースに置いていた。
「よっ!」
俺の方を向き、いつも通りに俺に声を掛けてきた。

「彰、俺はあそこクビになった。お前は無茶するなよ。」

「え?やっぱりそうなったのかあ・・・ わりぃな、役に立てなくて。」

「いいさ。俺の方から無茶な事を頼んだのだから。」

「ま、元気だせや。そのうち、飯でも酒でも奢ってやる。」

「サンキュ。その時はよろしく。 …あ、お前にも言っとく。」

「ん?」

「俺、大学行くから。」

「へ… 大学?」

「そう、大学。お前も頑張れよ。じゃあな。」

大学?あいつ、何しに大学?
もしかして大学に入学したのか?
勉強するのが、そんなに面白いのかねぇ・・・
俺は、もう勉強はいいや。
そんなトンチンカンな事をブツブツ呟いてる彰は、俺の言葉の意味を理解してないだろうな。


数日後、俺は東京へ出発した。

今度こそ、雅の家と離れられる。
先日、治と東京に行った時に、司法書士と弁護士になったヤツらと会い、話をした。
その時、雅から旧姓に変えた。
だから、教員免許なんて身元保証にはならない。

東京で、一から始める。
俺は、俺らしくなる為に。

あの泣き虫で嘘つきの治の側に居たいから。
待ってろよ、治。

















- 完 -




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