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番外編 ~博人の巻~ (1)

※ヒロトVSフランツ※


自分のiPhoneに取り入れた恋人になったばかりの友明の写真を眺めながら、博人はドイツ行きの飛行機に乗っていた。
まさか、先日のあの電話が、こんな用件だとは思っても無かった。
あの電話を鳴りっぱなしにさせては、友明に一世一代の告白をした。
今から思うと、プロボーズみたいな事を言ったな、と思ってしまうが、それでも必死だった。
友明も、私の事を想ってくれてたなんて、とても嬉しかった。
だから、あの夜は思いっきり抱いたんだ。
博人は、あの夜の友明の言葉を思い出していた。
 『エッチし放題…
今でも、思い出すと笑えてしまう。

だが、友明は8月になると福岡の家に戻ってしまう。
ああ、連絡先を聞いてない。いや、カルテを見れば分かるか。
友明の事を思ってると、自然と顔が綻ぶ。だけど、もう少しでドイツに着く。
まずは、お爺様の様子だ。それによって変わってくる。
フランツのバカバトラーが、なんでそんな状態になるまで黙っていたんだろう。
マルクは、どう思ってるのだろう。
お爺様が死んでしまうと、誰が『御』の位置に就くのだろう…。
私のエントリーを外して貰うように、忘れずに言っておこう。


飛行機が空港に着いた。
いつも通りにファースト専用のゲージを通って入国を済ますと、フランツの顔が見える。
え、いつもの運転手ではなく、フランツが運転するのか?
それほどまでに、お爺様の危篤状態は切迫なのか?
 「フランツ…」
 「ああ、ヒロト様。無事のご到着、お待ちしておりました」
 「そんな挨拶は要らない。それよりも、お爺様は」
 「今は…、少し安定してらっしゃいます…」
 「危機は脱したのか?」
 「あ・・、恐らく、そうだと・・」
歯切れの悪い言葉だ。フランツらしくないな。その時は、そう思っていた。
それほどまでに、お爺様のご容態は悪かったという事だろう。それが、少しでも安定したという事は、
お爺様の生きたい、という思いが強かったのだろうな。
専科は違うが、私だって医者だ。
後で診せて貰おう。

屋敷に着くと、フランツは私に飲み物を勧めてくる。
 「フランツ、私はお爺様に会いに来たのだ。お爺様の部屋に」
 「お、お待ちください、ヒロト様。『御』は、こちらではなく病院の方に」
 「なら、どうして病院に連れて行ってくれないんだ?」
 「ヒロト様が、お疲れかと思いまして…」
 「分かった…。午後になったら、病院に行く」
 「畏まりました」


そう言って、博人は自分の屋敷に向かった。
あれから何年も来てないのに、庭の手入れが綺麗にされてる。屋敷内に足を踏み入れた博人は、綺麗に掃除されてるのはフランツがしてくれたのだろう。そう思い当たった。
それを思えば、先程のフランツに対する怒り任せに言った言葉を取り消さないといけない。
そう思っては、一緒に付いてきたフランツに言っていた。
 「フランツ・・・」
 「はい?」
 「掃除してくれて、ありがとう。」
 「お戻りになられるのですから、これぐらいは」
 「で、さっきは…、あんな言い方をして悪かった」
 「その様な事を言われるとは…。こちらこそ、言葉足らずで申し訳ありませんでした」

ヒロトが、自分で荷物を解いては整理しているのを見ては、フランツは驚いてる。
 「ヒロッ、ヒロト様っ。そのような事は、私めが」
 「構わん。」
 「いえ、それは私の仕事です」
 「自分の持ち物だから、自分でやる。その気持ちだけは、有難く貰っとく」
 「ヒロト様。日本に帰られてからは、ご自分でされる事を身に付けられたのですね」
 「ああ、煩いのが居てね。自分の事は自分でやれ。と、言われた」
 「リューゾー様ですね。まったく、あの方は」
 「いや、龍三では無い。死んだ父の秘書だ…」

フランツは、嬉しいのかどうなのか分からない複雑な表情をしている。
 「それでは、お飲み物のご用意をさせてもらいます」
 「ああ、よろしく」
 「それでは、ランチの支度が出来ましたら、お呼び致しますね」
 「ああ、よろしく」



本宅に戻ったフランツは『御』に、報告した。
 「御。御、どういたしましょう?」
 「フランツ、どうした?」
 「ヒロト様が、お戻りになられて…」
 「おお、戻ってきたか」
 「そして、『御』は病院の方に、と答えてしまいました。申し訳ありません」
 「やれやれ…。儂を病人扱いか」
 「申し訳ありませんが、病院の方に入院してる振りをして下さい」
 「ヒロトの顔を見に戻ってきた。そう言えば良い」
 「それなら、その健康色の御顔を、病人顔にして下さい」

『御』は溜息を吐いて、フランツに言ってる。
 「別に、演技をしなくても良いだろう。なんで」
 「ヒロト様は、『御』は危篤状態だという言葉を信じられてます」
 「んー…。あいつは頑固だからな」





☆∮。・。・★。
博人様の番外編は、『俺様ボス~』シリーズの色が濃いため、カテゴリは「俺様ボス~」にしております。

『エッチし放題』をクリックしていただけると、その時の話が読めます。


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