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2015年ホワイトディ・スペシャルSS ※まさかの、この人…※

ふわぁ~…。

あぁ、よく寝た。
たしか、あそこの店は13時開店だったよな。
マサの奴、あそこの店員さんを睨んでは脅して無理矢理作らせたんだろうな。
店員さん、ごめんね。
なにしろ夏限定のアイスを、こんな季節外れに作らせるだなんて、マサが一番悪い!

しかも、スプーン…。
これって、まだ工程途中じゃんっ。
思わず嬉しくなって食べてしまった俺も悪いが、もっと早く気付くべきだった。
アーンまでして、2人で食べきったが…。
本当に、美味しかった。

そう思いながら、スプーンを綺麗に洗ってはマサを連れて行こう。
でも、とても素敵な模様のスプーンだな。

寝室に行くと、まだ寝てるし…。ったく、この恋人は。
 「マサ、起きて。ほら、行くよ」
 「んー…どこ行くんだ?」
 「どこって…昨日、買ってきてくれたでしょ。アイスを。」
 「ああ、あそこか…」
 「あそこじゃないっ!謝りに行くよ、ほらっ。」



一方、和菓子屋では…。
 「優介…」
俺の名前を言って睨んでくる恋人は、無言の圧力を昨日から掛けてくれてる。
 「ご、ごめんなさい。ごめんなさい。」
もう、謝る事しか出来なかった。
だって、怖かったんだよ、あの人。
すんごい三白眼で睨んでくるんだもの…。
作ることしか出来なかったので、作ったけど。
でも、この恋人は、そのアイスを作った事を怒ってる訳ではない。
あの作りかけのスプーンを、そのお客さんに渡した事を怒ってるのだ。
あのスプーンは…、和菓子の模様を恋人である悟さんがデザインしては、それを俺が出来上がった和菓子にスタンプよろしく押していってる物だ。
いわゆる、企業秘密の物。
それに、まだ完全に出来上がってない。

それに、俺は渡したわけではない、あの人が勝手に「これが良い」と言っては、俺を睨みつけながら箱に入れたのだ。

もう、穴があったら入りたい。
蟻の巣の入り口ほどの穴でもいいから、どこかにないかな…。


自動扉の開く音がする。

 ウィーーーンッ…。

 「いらっしゃいませ。」
ほら、お客さんだぞ。

この悪夢に浸ってる時でも、客は来るのか。
仕方ない、接客業ってホントに大変だわ。
 「いらっ… あ、悟さん、あの人、あの人です。」
 「え」
 「あの、短髪の人。」

ロン毛の人は、まっすぐレジに向かってくる。
 「ごめんなさい。昨日は、この人が大変迷惑を掛けたみたいで…。
本当に、申し訳ありませんでした。」
そして、このスプーンを返しに来ました。
と言っては、綺麗に洗ったのだろうと思えるほどの小奇麗になってるスプーンを出してきた。
短髪の人は、溜息吐いて言ってくる。
 「テルが、ここのアイスを気に入ってるのを知ってるから、ここに来たんだ。」
悟さんが、すかさず割って入ってきた。
 「お客様、当店では季節限定の物は、その時期でないと作りません。それに、それはスプーンではありません。企業秘密ですが、和菓子のデザイン起こしの型です。」

え・・・!
ロン毛もそうだが、短髪も驚いては目を瞠っている。
悟さんは、俺に向かって言ってきた。
 「優介、これは無しにする。別の物を作る。」
 「でも、悟さん…」
 「一時でも、他人の手元に渡ったモノだ。もう、これは使えない。」
そう言って、悟さんは片手で、そのデザイン起こしの型を割った。

パンッ!

あの、ステンレスなんですけど…。
それを割るなんて、さすが悟さん手刀の名人。

でも、それを見ていた客2人も驚いている。
 「綺麗に割りますね…」
 「え、まだ居たの?」と、悟さんの呟きが聞こえる。
まだって、悟さん…。

どうやって割ったのか、知りたい…。
という呟きが聞こえてきたが、悟さんは無視してる。

自動扉が、もう一度開くと同時に声が聞こえた。
 「優介ー!優ちゃん、ウサギを20匹と亀を20匹よろしくね。」
 「あ、はい。ウサギと亀を20ずつですね。」
悟さんは、その声の持ち主を睨んでる。
 「このクソ野郎が、ここではなく家に行けば良いだろ。」
 「だから、その家に手土産を持って行くつもりなんだよ。」
…で、これね。と悟さんに渡してる。
俺は、聞いていた。
 「昌平さん、今度はどちらに行かれたのですか?」
 「ん、フランスだよ。」
 「へー。それは、」
 「フランス土産か…。今回は、洒落た所に行ったんだな。」
俺の言葉を遮って、悟さんは昌平さんに声を掛けた。
なんだかんだ言っても、3人兄弟の中では、この2人は仲が良いからな。

さっきの2人の客は、まだ居る。
というよりも、ロン毛の方は買い物籠に和菓子を入れていってる。
買って帰ろうとしてるみたいだ。
あの短髪も悪い奴じゃないんだよな。
ロン毛の人を喜ばそうと思ってたんだな。

そのロン毛の人が声を掛けた。
 「昌平って…、もしかしてショウのヘッド…?」
声を掛けられた昌平さんは、ロン毛の方を振り返った。
 「…ほう、お前は暴れ」
 「シーシー…」
その人は、指を唇に当てている。いわゆる黙れって、ことだな。
昌平さんは、続いてもう1人を見る。
 「これは、珍しい人が居るもんだな。」
悟さんが口を開いた。
 「知り合いか?」
 「悟。こいつはアノ宮田の本宅の跡取り息子だ。」
 「え、あの伝説の男…教師をしてるっていう…たしか双子の長男も伝説の奴だよな?」
 「その長男だ。」
短髪の方が悟さんに睨みつけながら言ってる。
 「俺の事を、家の事を知ってるのか?」
昌平さんは、短髪の方を宮田さんって呼んだ方に声を掛けた。
 「こいつは、俺の弟だ。日本国内だけではなく、世界に情報網を張り巡らしている。
下手に手を出してみろ。どうなる事やら…。しかも、あの男の左腕だからな。
そっちのシーシー野郎も…、この2人に手を出してみろ。俺が許さないからな。」

そう言って、昌平さんは俺に向かって財布を取り出した。
 「優介、いくら?」
 「ウサギ20と亀20で9000円です。」
すかさず悟さんが声を出してきた。
 「ツケは無しだからな。ほれ。」
 「優しいなー、悟は…。」

 「ところで、あのボスはどうしてる?」
悟さんは、優しく柔らかな表情になっては応じてる。
 「元気にしてるみたいですよ。」

そっか、今度はアッチに行こうかな。
と呟いてる昌平さんに、俺は言っていた。
 「昌平さん。今度はオーストラリアですか?トモ兄に、よろしく言ってくださいね。」
 「ほいほい。言っとくよ。」




☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
そして、マサはテルに連れられて、アイスを買いに行った店に謝りに行くことに。
そこでは、店員は恋人であるパートナーに怒られていた。

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