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貴方への想い、それは禁忌 (30)※最終話です※

アランは、地下も奥深い独房に入れられた。
日に2度の食事が出る。
アランはその食事を前にして、考えていた。
普通の人間なら10日間ほどで死に至るだろうの微量の毒が盛られてる。
だが、アランを含め、あの方のお側付きとして働いていた20人は、毒には耐性がある。
私の事を知らないのか、それともジュニアは何も言ってないのか。
それなら、1週間後には出よう。

毒盛りの食事を口にしたアランは、今までの毒とは違う事に気付いた。
ドイツの…あの屋敷で、自分達用に作られた毒入りの食事を、トモのクリニックの喫茶で作られた食事を思い出していた。

側付きの20人の内、ジョシュアは私が、この手で撃ち殺した。
本の虫のウィルは卒業しては、男の恋人がいる。
泣き虫のジョンも卒業しては、男と…。
そこで思い出した。あの眼光に、あの物言い。
ミスターだ。あの病院の室長をしていた男だ。
彼にオファーを掛けて貰ったドクターは、契約が切れて故郷に戻る。そして、そのドクターの口添えで、オファーのリクエストを彼は受け取る。契約が切れたドクターは、そのうち名医と呼ばれる程の力を、また太い人脈を持つようになる。

私は、どうしてあんな事をしたのだろう。
関係のない人間を、何人も手に掛けてきた。
毒を盛っては畑をダメにしたり、香港マフィアの裏のボスと言われる奴を殺したり…。
シンガポールでは、関係のないドクターを、観光客だと分かる人間を…。
他にも色々と・・・。

フィル。
あの20人の中で、私と対等の頭脳と身体能力を持つ、側付き。
シンガポールマフィアのドンとなられたホワン様に気に入られ、一緒に付いて行ってしまった。
フィルがいなくなり、張り合いのない日々を送っていた。
そうだな、あの泣き虫が言うだけあって、私は寂しかったのかもしれないな。

エド・・・。
貴方が好きだ。でも、所詮は手の届かない雲の上の人。
楽しかったよ、幸せだった。

ヒロト様とも再会できて、次代の御になるかもしれないトモと、彼の息子のジュン。
ジュン。
君とのお喋りは、とても楽しかった。
屁理屈ばかり言ってると、誰にもモテないよ。

トモ。
おそらく御にはならないだろう。そんな気がする。
それでも、君には君なりの人脈がある。香港マフィアにイタリア王子、そしてヒロト様。
御とは違い、全世界を味方に付けてる。

イタリア王子。
私やフィルを含めた20人の側付きに、色々と教えてくれた。世界の事、言語に銃器の扱い、コンピュータやスポーツ等。あの手刀は、本当に効いた。

ラーメン屋。
中国の広州でラーメンやってた奴。まさかパースに来てるだなんて知らなかった。あいつの、あの太刀捌きは見事だった。私の身体の中身は、壊れてるだろう。あんな思いは、もうしたくない。
この私がヤラレルだなんて思いもしなかったが、食い物の恨みは凄いね。

ジュニア。
傲慢で、他人を殺すことに躊躇しない人。イギリスで生まれた事を今でも根に持ってる。

貴方は、覚えてるだろうか。昔…、私達20人に言ってくれた言葉を。
 「いいかい、皆。人を殺してはダメだよ。人殺しの人間は、死んだら地獄には行かないんだ。
どこに行くと思う?
よく聞いて。そういう人はね、『無』に、なるんだよ。『光』にも『闇』にもならない。
まったくの『無』に、なるんだ。だから、決して人殺しにはならないでね。
僕からのお願いは、それだけだよ。」

あの頃の貴方は、まだ若かった。若かっただけの、それ故の言葉だった。
だから、あの言葉は嬉しかった。

だけど、ジュニア。そう言いながら…、その手で何人の人間を殺してきた?
お前も、私同様・・・『無』に、なるんだ。
お前を消したら、私も自分自身を消す。
首を洗って待ってろ。


毒を口にしては元気になったアランは、数日後には房を出た。

最終目的地を決めて。
目指すは、かつて自分達も暮らしていた、あの屋敷。
あの屋敷で、私達20人がお側付きとして働いていた。
それは、ジュニアの為ではない。
『御』、ただ1人の為だ。

ジュニアは、私の伝言を伝える事はないだろう。
だから、自分で『御』に伝える。

エドワード…。
貴方は、まるで陽の神様みたいで、明るく活発な人。
私にとっては一筋の光だった。
もう会う事は無いだろう。

好きだよ。
愛してる、エドワード。
元気で・・・。



※※ あさみからの、一言コメント※※
アラン&エドワード編の話しは、今回で最終話となります。
切ない系の話しですが、まだ生きてます。
はい、この時点では(←ここ強調w
絶対に結ばれない、この2人には考えも出来ない結果が待ち受けております。
それは、最終物語にて。

引き続き、『あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい』を、読んで下さると嬉しいです。
長い長い物語になってますが(-_-;)
よろしくお願いします。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆彡
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4 Comments

ますみ  

No title

あさみさんの物語を木に例えるなら、アランのお話は一つの枝なのでしょうか?
友朋やレイたちの話とともに物語を形作る、大切な・・・。

嬉しいコトの横には悲しい事も切ない事もある。 そう感じました。

でもアラン、食中毒にはならないみたいで、それは羨ましい。。

2014/11/25 (Tue) 10:19 | REPLY |   

あさみ  

Re: No title

> あさみさんの物語を木に例えるなら、アランのお話は一つの枝なのでしょうか?
> 友朋やレイたちの話とともに物語を形作る、大切な・・・。

この物語に関しましては…。
枝というよりも、1本の木ですね。
細い、木。
それが集まっては、森になる。

それか、もしくは川。
幾筋の小川が段々と交差しながら、太い川になり、海と交差していく。
そんな感じでしょうか。

ネタをバラしますと、友明&博人だけの木。
ジョン&レイの木。
アラン&エドの木。
ですね。
どうして、シリーズ(?)になったのかは、よく分かりません(^▽^;)
書いてるうちに、自然となったのですね。
分かります?


> 嬉しいコトの横には悲しい事も切ない事もある。 そう感じました。
そう感じて頂くと、嬉しいです。
ともあれ、最終物語も書き終わってはPCに打ち込み中です。
お楽しみに♪


>
> でもアラン、食中毒にはならないみたいで、それは羨ましい。。

ほんと、食中毒にはならない体質なのでしょうかね…。

2014/11/25 (Tue) 15:39 | REPLY |   

ますみ  

No title

ああ、分かります。 一つの話を書いていると、どうしてだか他の話も浮かんできたり降ってきたりするんですよね。

最終・・話、では無くて物語ですか!  楽しみです♪
木が林になり、川が大河になり海へ注ぐ、その物語。 お待ちしてますね♡

2014/11/26 (Wed) 00:44 | REPLY |   

あさみ  

Re: No title

ますみさんへ>>

> ああ、分かります。 一つの話を書いていると、どうしてだか他の話も浮かんできたり降ってきたりするんですよね。
そうです。
そうなんですよねー♪
ますみさんも、そうですよね(強制的w


> 最終・・話、では無くて物語ですか!  楽しみです♪
> 木が林になり、川が大河になり海へ注ぐ、その物語。 お待ちしてますね♡
そうです、物語は、総集編みたいになっております。(ネタばらす
お楽しみに☆



2014/11/26 (Wed) 20:30 | REPLY |   

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