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あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい (5)

 「見つけたっ!こんな所に居たなんて…。」

 「 わっ!!」

誰かに抱きつかれた。
思わず声を出してしまったフィルは、自分に抱きついてきた人を見ては、また驚いた。

 「え、ジョン?なんでここに…。」
 「探したんだよ。いきなりフィルが消えたから…。」
ひどいよ、恋人である私に何も言わないで居なくなるなんて…。
しかも、と付け加えながら言ってやる。
 「フィル!なんで抱きしめてくれないの?」
フィルは、指を口に持って行き
 「シー、シー。声が大きすぎ。」
ここはGPだよ。
そう言われてハタ…と気が付いた。
そうだ、GPとはいえ病院だ。
しかも受付…。
それもそうだな、と思い直してフィルから離れる。

奥から声が聞こえてくる。
 「フィル!フィルどこだ?
あ…、ここに居たか。この野郎。澄ました顔でそこに座ってるんじゃないよ。」
どこかで見た顔だなと思いフィルを見てると、フィルはそいつに言い返していた。
 「なんだ、何か用か?私は忙しいんだ。」
その男は偉そうに踏ん反り返ってる。
 「ほう、そんなに忙しいのか。それなら、温室のヒーターはいつ壊れたのかな…。」

ギクッ!
フィルの身体が揺れてる。
 「い…いや、直そうとしたんだよ。でも、応急処置は施した。」
 「馬鹿やろう!お前が勝手なことをしたせいで、部品を買う事からしないといけなくなったんだぞ!私が作った物を壊すな。」

フィルの頭をグリグリとゲンコツで弄り回してる。
仲がよさそうに見えてムカつく。
 
 「フィル。私はホテルに1週間滞在するから。」
 「ああ、分かった。終わるのが18時なんだ。それでも良いか?」
 「うん、待ってる。これが宿泊先のホテルね。」
と、ホテルの名前と部屋番を書いたメモをフィルに渡した。

すると、偉そうにしてた男が口を開いてきた。
 「なんだ。フィルのお迎えか。良かったな。」
 「違う。そんなんじゃない。」
すると、違う人が声を挟んできた。
 「ほんと、2人とも仲がいいよね。なんか妬けちゃうな。」
 「はあぁ?仲がいいように見えるのか?」
 「うん。そう見えるよ。ね?フィルも満更ではなさそうだし。」
フィルは返していた。
 「そんなのではないですよ。」
偉そうな男が、途中から入ってきた男に口を開いていた。
 「ワンは、これから仕事?それとも帰り?」
ワンと呼ばれた人も、偉そうな男に返してた。
 「今日は夜勤なんだ。ユタカは?」

ユタカと呼ばれた、その偉ぶった人は、私の方を向いてきた。
 「他人の顔を、そうジロジロと見るものではない。」と私に言ってきた。
まともに顔を見た私は、そこで気が付いた。
この偉ぶってる人の正体を。

流れる銀髪に、碧い目を持ったイタリア人。
キリッとした目つきに、穏やかな表情で高貴な雰囲気を醸し出してる。
年を経たせいか、落ち着いた感じに見える。
あの時、私を含めた20人のお側付きにコンピュータだけではなく、外の世界の事や外国語等を教えてくれた。
イタリア王妃と、日本人男性との間に生まれた、イタリア王子だ。
国籍は日本なので、王子ではないと言ってくれるが、王子と呼ぶのに相応しい容姿をしてるので、勝手に「王子」と呼ばさせて貰ってるのだ。

目を伏せて謝った。
 「そうですね。申し訳ありませんでした。」
フィルが声を掛けてくれた。
 「ジョン。後で行くから。」
 「うん。待ってる。」
ん…、ジョンって言った?
もしかして、フィル。あいつはお前にコンピュータ教えてた時、そばに居たガキか?
 「そうだよ。」と2人が話してるのが聞こえてきた。

 (ウソだろ。よく覚えてるな、あの人も…)
そう思いながら、GPを出てホテルに戻った。



※※ あさみからの、一言コメント ※※
アンソニーは、やっと恋人を見つけた。
恋人であるフィルは、パースに居たのだ。

フィルも驚くよね~

しかも、そこの場所には「イタリア王子」と呼ばれてるユタカが居るので、二度ビックリしたジョンでした。
『俺様ボス~』に登場した人物が、ここ『あなたの体温(ぬくもり)~』にも登場します。
お楽しみに(^_-)-☆

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