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あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい (3)

それを聞き、思い出そうとした。
 日本に5年間居た。
 ドイツに戻ってから、真っ先にしたのは御との対面。
 そして、シンガポールに来てからは、父親との対面。

そこで、何を約束したのかを思い出した。
ハッと気が付く。

私の顔を見ながら、ジョンは言ってくる。
 「思い出したみたいだな。
トモの所に行きたければ、行けば良い。
だが、約束は果たせ。」


御との対面をした時に、約束をした事は…。
 『エントリーするのは、まだ早すぎる。
第一、条件に満たされてない。
シンガポールで、ボスをしろ。
ボスとして責務を、最低でも15年間はしろ!』
……、まだ11年しか経ってない。

父親との対面の時にも、約束した。
 『私の跡を継ぐのは、難しい事だ。
あの人との約束を守るのが、最優先事項だ。
でもまあ、構成員の1人にはさせてやろう。』


今、ここで自分がシンガポールから出たら…。
父親やマフィアから、一族からも見放される。

たとえ父親の跡は継げなくても、エントリーも出来ない今の状況では何の保障もない。
他の従兄弟達は、既に手にしているだろう財産も、自分だけはまだだ。

ジョンの言葉が、私を突き刺す。
 「約束を果たすことが出来ないのだから、次を探せ。
そう言ってるんだ。」

黙ってると、次々と言ってくる。
 「あんたがここに居座るのと、そうでないのとは大いに違ってくる。
あんたが、ここから出ていくと私は解放される。
ドイツに戻れるんだ。
そして、死ぬまであの人のお側に居られる。」
ジョンは、そう言いながら嬉しそうな表情をしては、うっとりとしてる。
 「だから、とっとと決めろ!」

思い出した。
そうだ、ジョンは御の側付きであり、私の監視役だ。
私の行動は、ドイツに・・・
御に筒抜けだ。

そして、おそらく父にも…。

意を決して、ジョンに聞いてみる。
 「ジョン。」
 「なんだ。」
 「私に仕える気はないか?」
即答だった。
 「私は、自分の主は自分の意志で決める。」

それは、あくまでも私の監視役だ、という事だ。


憎らしい!
そう思うと、振り向き様に撃った。

パンッ!!


私よりも、一瞬早くジョンの銃が火を噴いたのが分かった。
サイレンサーだ。

ドサッ・・・。

ジョンは、倒れた私に近寄っては、足でひっくり返してくれる。
鼻で笑ってるのが分かった。

ふっ…。
 「急所は外してやったのだから、それだけでもありがたいと思うんだな。」
あんたは、この私に銃を向けた。
このことは、報告させてもらう。


そう言って、ジョンは私の…、ボスルームから出て行った。



※※ あさみからの、一言コメント ※※
アンソニーとジョンの会話から、この2人の関係は分かると思います。
登場人物のページにも書いてますが、改めて・・・
アンソニーの守り役のジョンです。
執事では、ありません。

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