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お前の帰る場所は俺の所だよ (10) 

翌日の朝、おばさんに言っていた。
 「おばさん、部屋探しなら郊外をお勧めしますよ」
 「郊外かあ。区内より安いよね」
 「アパートやマンションはたくさんあり、学生専用のところもありますからね」

治が口を挟んでくる。
 「でも、近いところがいいな」
 「調布なら特急に乗れば一駅で新宿だ」

おばさんも遮るように言ってくる。
 「地震とか大丈夫そう?」
 「んー……、それを言われると……」

治が助け船を出してくれる。
 「日本は島国だから、どこに居ても同じだよ」
 「そうだけど……」

おばさんの言いたいことは分かる。
とりあえず朝は、ゆっくりして昼から行くとのことで話しは決まった。

だけど、治はトンチンカンなことを言ってくる。
 「俊平は?」
 「俺は仕事。お前は春休みだろうが」
 「そうだった! うっかり忘れてた-」

おばさんと声が重なった。
 「これから先が思いやられる」


 「あはは。俊ちゃんもいることだし、なにかあったらよろしくね」
 「手に負えなくなったらどうしたらいいですか?」
 「その時は連絡して。私が来るから」
 「はい。その時はお願いします」


そんな2人を横目で見て治は一人悶々としている。
 「くそったれー!」

そんな叫んでいる我が子に向かって言ってくる言葉はこれだ。
 「4年間は十分に授業料払えるからね」
 「1年で卒業してやるっ」

俊平も笑いながら言ってくる。
 「治なら3年間かな」
 「俊平までっ」

くそぉ、くそくそくそくそ……。
大学4年間卒業計画がパーになってしまった。

卒業したら、もう師弟の関係でなくなるから人目を忍んでいちゃつかなくてもいいと思っていたのに。

あの英語教授―。
今年の目標は卒業論文を書いて提出することに変更だ!






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最終話まで、あと数話。
次作、がんばりますっ!

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