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お前の帰る場所は俺の所だよ (9) ソフトな性描写あります!

治の部屋は電気が消えて真っ暗だが、ベッドに体操座りをしているみたいで、こんもりと山ができている。
その山に近づき抱きしめる。
 「治、頑張れ。俺も頑張るから。この部屋は治の部屋だ。泣きたい時、寂しくなった時はおいで。でも、卒論は手助けできない。卒論は一人でやっていくものなんだ。俺は大学4年になる前に教職を取った。4年生になると卒論があるからだ。『好きなことを武器にする』をテーマにして、走りと英語をかち合わせて書いたんだ。4年生になってから書き出して、終わって提出したのが12月半ばだった。早すぎるということはないんだよ」

治は黙っている。
それでもいい。
聞いて欲しい。
そう願い言っていた。
 「治。お前の卒論は、お前にしか書けない。英語は駄目でも、お前には国語力があるから大丈夫だ。これから1年掛けて書いていけばいい。俺に言えるのは、これだけだ」

布団に唇を強く押しつけて言う。
 「治、愛してる。大事にしたい。だから1年、いや2年でも離れて暮らすことを俺は望んだんた。分かってくれ」

布団の山が崩れた。
中からは泣きべそをかいていた治の顔が覗いていた。
 「俊平、俺……」
 「俺の気持ち、分かってくれ」

 「俺……、俺、1年で卒業してやる」
 「うん。お前は有言実行な奴だからな」
 「俊平。俺も、俊平を、愛してる」

 「治」
 「お母ちゃん居るからエッチできないけど」
 「この部屋の家具は置いていけばいい。新しく買えばいいよ」
 「そうする」

ギュッと抱きしめていると、治も抱きついてきたので、もっと力を込めて抱きしめる。

 「治……」
 「しゅんぺ……」


キスしたい。
でも、キスだけで終わるだろうか。
隣の部屋にはおばさんがいる。
そう思うと自分のところなのにできないな、なんて思っていると言い残していたことを思い出す。
 「そうだ」
 「なんだよ。もう少しでキスできると思ったのに、この至近距離で何を言うつもり?」

その不満げな言葉に微笑んでいた。
 「俺が一人暮らししてたアパートは1DKで35,000円だったんだ」
 「は?」
 「区内でなく郊外にすれば2万円からあるよ」
 「安い」
 「その分、脆いけどね」


キスしたい。

せめて、キスだけでも。
治の顔には、その気持ちが出ていた。
治のおでこに自分のおでこをくっつけると、治は目を閉じた。

可愛くて微笑んでしまう。
 「治、愛してる」

その言葉と共に唇を重ね合わせた。






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最後の行だけですが(^▽^;)
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