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お前の帰る場所は俺の所だよ (7) 

その夜、母と恋人である俊平から話しを持ち掛けられ反論していた。
 「ど、して……。お母ちゃんっ」
 「一人暮らしして自分の力を試しなさい」
 「そんな急に」
 「いつまでも俊ちゃんに頼るな」

 「俊平は」
 「治、なにかあったら手を貸す。俺も一人暮らししていたから治の不安は分かるよ」
 「なら一緒に」
 「あと1年で卒業するんだろ。なら、せめて自力で頑張れ」
 「しゅ、ん……」
 「卒論に専念するんだ」
 「頑張るよ。でも」

その「でも」の言葉を遮ってやる。
 「うん、いい返事だ。普通は3年生の冬に決め、4年生になって本格的にやっていくんだ。今の、この時期ではテーマは決めておいた方がいい」
 「俊平……」


複雑な思いの治をスルーしてくれる俊平に苛立ちが湧く。
そんな気持ちを知ってか、母まで言ってくる。
 「治。明日は部屋探しするからね」
 「部屋って」
 「一人暮らしするのだから、アパート決めないとね」
 「俊平は」
 「俊ちゃんは教授。で、治。あんたは学生よ」

もう、どんなに反論しても無理だと思ったのか、今度は俊平に向けてやる。
 「俊平は、それでいいの?」
 「ああ、いいよ」

即答で返ってきた。
その言葉に項垂れるが唇を噛みしめていた。
そんな今にも泣きそうな表情の治を見るのは辛いが、ここは我慢だ。そう自分に言い聞かせ、俊平は言ってくる。
 「治があと4年間で卒業できるか、それとも中退になるかの瀬戸際だからな。おばさんの言うとおりだよ」
 「あと1年で卒業してみせるっ」
 「うん。だから卒論に専念しろ」

埒があかないので、今度は母だ。
 「でも、お母ちゃん……」

母はこんなことを言ってくる。
 「お金のことなら心配ないわよ。4年間分を払っても、余裕にお釣りくるから」
 「だからー、あと4年も学生したくないの」
 「そう? なら部屋探ししようね」

両手を挙げ降参していた。
 「分かったよ」





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あはは(笑)
治君、君は友明みたいにはなれないね。

「ったり前だ。私は医学部だからな」(友明)

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