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お前の帰る場所は俺の所だよ (4) 

インターホンが鳴る。
 「はい」
 「俊ちゃん、治は?」
 「居ますよ。どうぞ」

数分後、やってきた。
 「部屋?」
 「はい、こちらです。大学から通知がきてから、ずっと籠もりっぱなしで……」

そう言うと、おばさんは溜息をついていた。
部屋の前にくるとドアをノックすることもなく、バンッと大きな音を立てて部屋のドアを開けると荷物を後ろに放り投げてくる。

なんとかキャッチしてると大声が聞こえてきた。

 「治! あんたは何をしてたのっ」

 「おか……ちゃ?」
 「大学から通知が来たわよ。卒論せずに卒業できるわけないじゃないっ」
 「走ってたから」
 「だからなに?」
 「陸上で入ったから」
 「ずっと大学生でいたいのか」
 「いいや」
 「それなら、どうして卒論しなかったのっ」
 「走ってれば」
 「あんたの頭は脚に付いてるのかっ」
 「だって」
 「だってじゃないっ」
 「俊平はなにも」
 「俊ちゃんのせいにするなっ! 俊ちゃんは教える側で、あんたは生徒だよ。本当なら、こんな正反対の2人が同居できるわけないんだからねっ」
 「だって」
 「甘えるなっ! 卒論だけでなく、5教科も落として。もう1年、いや2年で、その甘えた根性をたたき直せっ」
 「お母ちゃんっ」

 「そもそも国立大学に入学して4年間で卒業できるのは並な人間じゃないんだよ。並な奴は8年間の間で卒業する。治、あんたは治という一人の並な人間なんだ。走るだけがとりえの奴じゃない。違うか?」
 「おかあちゃ……」
 「2年間、しっかり勉強して卒論もする。約束できるね」
 「2年間もいたくない。1年間で卒業する」
 「よく言った! それでこそ治だ」


そのやり取りをリビングで聞いていた俊平も肩の荷が下りた。
うん、さすがおばさん。
治、お前の親は2人とも、お前のことを気にしているんだ。幸せ者だな。

しかし、俺が言わなかったから卒論しなかったのか。
お前の基準はどこにあるんだ。


声が掛かる。
 「俊ちゃん、ちょっと出かけてくるね」
 「どちらに」
 「大学。あのキレキレ野郎と一戦してギャフンと言わせてやるの」

その言葉に吹いていた。
 「行ってきまーす」
 「行ってらっしゃい」

そうか、おばさんは知っているのか。
でも、あのナイフ理事長は弁が立つんだよ。
まあ、おばさんとならイイ線いくかもしれないな。







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