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お前の帰る場所は俺の所だよ (2) 

その様子を見て、俊平は今日の昼間、呼び出されたことを思い出していた。

 「俊平先生、ちょっといいかな?」
 「え……」

振り返るとナイフ理事長が居た。
 「あ、はい。なんでしょうか?」

手招きされ副学長室に入るよう促される。
これは、もしかして治をなんとかってやつかと思い当たった。
それは正解だった。

だけど、その内容に驚いたのだ。

驚きのあまり、しばらくは口がきけなかった。
目の前に居る雅副学長は声を掛けてくる。
 「なにか聞いてない?」
 「すみません。何も……。あー、動いてないと思います……」

ナイフ理事長は言ってくる。
 「まあ、教職の試験に受かればいいのだけど、肝心な頭はどう?」
 「あー……」

今度は副学長だ。
 「まあ、まだ4年あるし。それに現役の4年間で卒業できるほどの頭の持ち主だとは思ってないけど、これほどとは思って無くてね」
 「んー……」

次は理事長だ。
 「陸上しかやってきてないから、そっちで仕事探しになるのかな」
 「うー……」

副学長には、こう言われる。
 「まあ、こればかりは俊平先生には任せられないから」

理事長の言葉はこれだ。
 「何か得意なことって無いかなあ」

この2人は……と思い、治の援護をしたいがどう言えばいいのだろうと思いながらでも頭をフル回転させながら返す。
 「考える力はあるのですが」

すると雅副学長はこう返してきた。
 「あのね、親にも連絡が行くんだ。これと同じものが千鶴にも届く。その千鶴宛のは、ここにある。だけど、授業料の免除は4年間だけで、留年すると、した分は払うようになる」
 「その、今までで……」
 「いるよ。7人だったかな」

ナイフ理事長が応えてくれる。
 「9人で、6人が2年留年して卒業してる」
 「治を入れると」
 「10人で、7人目だね」

溜息が出ていた。
 「すみません。そこまで見ていなかったです」
 「陸上の特待生として入ったから走るだけで良かったけれど、それだけだと中退することになるからな」
 「そうですね」
 「本人が、この後どうしたいのか、それとなく様子を見て俊平先生の経験談でも話してやって欲しい」
 「俺は……、卒業したら高校の教師になるんだと、走りだけでなく勉強もしてました。でも、まさか、こんな……」

それ以上は何も言えなかった。






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