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自分の道は自分で決める! (82) 

 良い子でいれば笑ってくれるだろう。
 良い成績を取れば褒めてくれるだろう。
 そういう思いで頑張ってきたんだ。
 それを……。
 
 お母さんは、自分がこうだからって。
 自分の好みを子どもに押しつけているのか。
 それをなんとも思わずにバカ正直に従っていた自分が情けない。
 
 ヨシと離れろと言われていた理由も分かった。
 私の意思はなんだ?
 私の思いを……。
 
 お母さんは、粉々に砕いてくれた。
 
 付き合う仲間を親に決められ、そのまま「はい、そうします」と言えるほど私は人間が出来てない。
 9人の内、仲が良かったのはカズキとワンの2人だった。
 2人とも、あまり自分を主張しないからだ。
 
 大学を卒業して警察病院に勤務していた頃は寮に入っていた。
 せめてもの物理的距離を取りたかったからだ。
 
 親の言うとおりにしていれば殴られることも罵声を浴びることもなかった。
 私に、どう思うか?などと問いかけてくれることもなかった。
 
 反抗期があるものだと知ったとき、親に対し反抗したことがないことに気が付いた。
 私は親の傀儡なのかと、真剣に思ったものだ。
 
 ただ、フランスのインターポールに行くことに関しては違った。
 父の誇らしげな口調に声音。
 今でも思い出すよ。
  「マスコミを呼べ。世界に届けるんだ。タイトルはこうだ。『国際犯罪者ショーン・コナー。日本の警視総監の息子である刑事に逮捕された!』 とな」
 
 あれが原因で私はショーンに執着され始めたんだ。
 そして、母の「お手柄だったね」との言葉。
 
 ただ、2人に「おめでとう」と言って貰いたかったんだ。
 
 「誕生日おめでとう」という事もなかった。
 何が楽しくて家族をやっていたのだろう。
 
 
 そして――。
 フランスに行く気になったメール文。
 あの言葉に後押しされた。
 
 ルノー、ありがとう。
 
 
 日本には戻らない。
 そんな気持ちでフランスに行ったんだ。
 そして、現在は好きな仲間と共に居られる。
 
 
 
 
 「ああ、喉渇いた。何か飲み物頂戴」
 
 その言葉に目の前の3人は大きな溜息をついてくれる。
  「どうしたの?」
  「いや……」とサトルは首を左右に振る。
  「まあ、いいけど……」とユタカは苦笑している。
  「まあ、マサだから許せるけどさ……」とジュンヤは失笑している。
  
  「何が?」
  「押しかけてきたのを忘れたか」とのサトルの言葉で思い出した。
  「あ、ごめん」
 
 ジュンヤは「まあ、これがユタカだったら許せないけどな」とブツブツ言いながら住居スペースへと歩き出した。
 
 
 


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