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自分の道は自分で決める! (81) 

 中学を卒業するまでヨシと一緒だった。
 ヨシは近所の公立高校に行ったが、私は区を跨いだ進学校に進んだ。それでもヨシとは仲が良かった。
 水泳をやめて武術を習いに行きだした。
 もちろん、ヨシと一緒だ。
 近場の道場に通い、2人して空手と少林寺を習った。
 大学を卒業しても、私は習いに行っていた。
 
 勉強もそうだけど、武術も段を取ると笑顔を見せてくれるだろう。
 褒めてくれるだろうと思っていた。
 
 医学部に金が掛かるのは分かっていた。
 だから自分の道場通いの月謝はアルバイトをして、その金で払っていた。
 
 国立で有名な大学。しかも医学部に現役合格するのは少ないと言われていた頃、2人に褒めて貰えると思っていた。
 だけど、「おめでとう」すらもなかった。
 
 受かって当然。
 
 なんのために、ここまで頑張ったことか。
 大学に入学しても味気ないものだろうなと思っていた。
 だけど最初の体育の時間、ボスと初めて会った時。
 あの時は楽しかった。
 蜘蛛みたいに天井や壁を伝って躱したり攻撃したり、凄く嬉しそうな表情をするんだなと思ったものだ。
 しかも医学部1年だと自己紹介してくれた。
 
 同じなんだ、なんか嬉しいなと思ったんだ。
 
 人見知りな気があり、学生生活に馴染むのに1年掛かった。
 2年の夏、お母さんに9人の仲間が出来たことを話したんだ。
 数日後、こう言ってきた。
  「9人ともではないけれど、素晴らしい仲間が出来たのね」
 
 その言葉に不安が過った。
  「どう言う意味?」
  「この写真の子とは、付き合うのやめなさい」
 
 そう言って差し出されたのは3枚の顔写真。
 ボスとタカとカズキだ。
  「ど、して……」
  「調べれば分かるのよ」
 
 その言葉で気が付いた。
 なんのために、今まで頑張ってきたことか。
 
 スズメは、父親は有名な病院経営者であり高名なドクター。
 サトルは日米ハーフだが、父親は『御』と呼ばれている、日本を揺るがす地位にいる人物。
 ユタカは財閥の一人息子。
 ユウマは北海道の病院経営者の息子であり、柔道師範。
 ジュンヤは、両親ともが国会議員。
 ワンは香港人だが、父親は世界的に有名な人物。
 
 
 こうやって交友関係を調べて潰されてきたのか。
 ボスは、お母さんが毛嫌いしている芸能人の子どもだから。
 カズキとタカはなにも特筆するものがないから。
 
 付き合うのに、得にならない。
 
 親が、気に入らないから?
 
  「お母さんが嫌いだから……。嫌いな人種だから、この3人とは付き合うなって、事ですか?」
  「そうよ」
 
 
 その言葉で、私の何かが壊れた。
 
 
 


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