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自分の道は自分で決める! (80) 

 ヨシが近寄ってくる。
  「マサ、何か言えよ」
  「バカ……」
  「俺たち、友だちだろ」
  「バカ……」
  「それもそっか。俺たち、バカ友たちだもんな」
  「バカ……」
  「それしか言えないのかよ」
  「大バカ」
  
 ヨシは笑い出した。
 その笑い声を聞くのは久しぶりだ。
 少し力を貰えた気がした。
 だから勇気を出して言ったんだ。
 
  「お母さん、ごめんなさい。約束は守ります。だからぶたないで、殴らないで」
  「正孝」
 
 今度はヨシにだ。
  「ヨシ、ごめん。でも嬉しいよ。そんな風に思ってくれて。でも、僕は1人でも頑張れる。だから」
 
 ヨシは僕の頬を叩くように挟み、持ち上げてくる。
  「俺、言ったよな。約束したからではなく、マサがどうしたいのか。誰も怒らないし、殴らないよ。マサはどうしたいの? 本当に死ぬまで1人で良いの? そんな悲しいこと言わないで」
  
 
 お母さんの溜息が聞こえてきた。
  「分かったわよ。正孝、あんたも、お父さんとお母さんの子なら腹を決めなさい」
 
 何のことか分からなかった。
  「大きくなったら何になりたいの?」
  「警視総監」
 
 その言葉に、お父さんの声が聞こえてきた。
  「最初は刑事からだ」
 
 お父さんは言ってくる。
  「でも、その意気込みがあればなれるだろう」
  「お父さん。それでは」
  「正孝、私の目標は7年後だ」
  「それって?」
  「7年後には警視総監になる。だが、10年後になるかもしれない」
  
 その言葉に、こう返していた。
  「僕の目標は、お父さんだ」
  「え?」
 
 
 3人が、僕の方を見る。
  「僕は幼稚園では誰とも話しをしていない。お母さんとの約束は守っています。だけど、剣道とプールと塾は続けたい」
  「もちろん、続けて良いのよ」
  「ヨシと一緒に行きたいです」
 
 その言葉に、ヨシは目を輝かせ手を握ってきた。
  「マサ、もちろん一緒だ」
  「塾もだよ」
  「分かった。頑張る」
  「落ちこぼれにならないでよ」
  「マサと一緒なら頑張れる」
 
 
 お母さんはヨシに何かを言ってるみたいだ。
  「言っておくけど、私は正孝の授業料しか払う気ないから」
  「大丈夫です。自分のは自分で払います」
  「そうして頂戴」
  「ありがとうございます」
 
 それからは、ずっとヨシといた。
 
 
 

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