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自分の道は自分で決める! (77) 

 最初に気が付いたのは幼稚園の頃だった。
 どこからか声が聞こえてくる。
  「何に気が付いたの?」
 
 その言葉に促されるように話しをしていた。
 母が笑顔を見せてくれない。それが不思議だったんだ。
 
  「体調が悪かったとか」
 いや、いつもなんだ。
 他の子の親は○○ちゃんとか笑って話しかけているのに、自分だけ呼び捨て。
 それに、いくら頑張っても褒めてくれない。
 一度、口答えしたことがあった。
 その当時、僕と言っていた。
  「僕は、さっちゃんが好きなんだ」
  「男の子は、お母さんを好きになるものよ」
  「僕は」
 
 助け船を出してくれたのは父だった。
  「初恋の相手ぐらい誰を好きになろうと良いだろう」
  「あなたは黙って。さっちゃんはうちの子を拐かしていい気になっているのよ。これはゆゆしき問題だわ。幼稚園の保母さん、いえ園長先生に一言言わないと」
 
 子ども心に、その言葉が怖かった。
 だけど、僕は聞いていた。
  「ねえ、お母さんの初恋の人って、どんな人?」
 
 すると、こう帰ってきた。
  「お母さんは、お父さん一筋なの。初恋をずっと引きずって、そのまま結婚したわ」
  「お父さんは?」
 
 あの時の、お父さんの表情ったら今でも思い出すと笑えるものだった。
 まさか自分に話しを振られるとは思っても無かったというものだった。
  「え?」
  「お父さんの初恋の人って、どんな人?」
  「近所に住んでいた、4歳年上のお姉さん」
  「優しい人?」
  「お母さんの方が優しいよ」
  「そうなんだ」
 
 お母さんは、こう言ってきた。
  「分かったわ。今回は許してあげる」
 
 その言葉が嬉しかった。
  「でも、大きくなって結婚したい人ができたら、すぐ教えて頂戴」
  「うん。その時は会ってね」
  「ええ。その時はゆっくり吟味させてもらうわ」
  「吟味って、どう言う意味?」
 
 今は、まだ知らなくて良い。
 そう返された。
 
 それ以来、付き合う友だちはどこそこの誰と決められた。
 小さかったから分からなかったので、それに従っていた。
 
 
 


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自分の過去を話しだしたマサ。
いったい、なにが起こったの?

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