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自分の道は自分で決める! (75) 

 悲しかった。
 なにも言われず勝手に配線も取っ払われて。
 だけど隠れ聞いていたジュンヤの言葉で気付かされた。
  「黙っていても分かって貰える。そういう存在」
 
 トモ。
 私はトモを愛している。
 たとえ届かなくても、この思いは揺るぎない物だ。
 
 しかし、サトルの隣に居る真っ黒がマサだとは気が付かなかったな。
 
  「で、そこで隠れてなにをしているのかな?」
  「え、他にも誰かいるの?」
 
 サトルが手を出してくるので止めてやるつもりだった。
 だが、あっちの方が早かった。
 手ではなく足を出してきた。
  「っー……」
  「隠れてるのは銀だ」
 
 その言葉にマサとジュンヤの言葉が重なる。
  「なにコソコソしてるんだ?」と呆れ口調のマサに、
  「銀ヤローかよ」と舌打ちしているジュンヤ。
 
 物陰から出ると3人に言ってやる。
  「隠れ蓑にちょうどよかったのに」
  「人の店を盾にするな。あ、そうか。銀野郎は一言も無かったんだね」
  「黙っていても分かってるんだよ」
  「何が?」
  「う……」
  「人の台詞を中途半端に使うものじゃありません」
  「はい、ごめんなさい。ジュンヤ様は一言あったのですか?」
  「銀野郎が私に?」
 
  「マサのが移ったのか?」
  「あ、それ。私も聞きたい。ジュンヤは一言あったの?」
 
 銀野郎ことユタカは頷いている。
 ジュンヤは明るく応じてくれる。
  「あるわけないじゃん。こっちに来てから、あまり会ってないのに」
  「頻繁に会っている奴にないのと比べると……」
 
 そう言うと、ユタカは落ち込んだ。
 サトルは口を挟んでくる。
  「なら、私に言うつもりは無かったわけか」
  「どうして?」
  「ボスの第一声は”優介、居る?”だったから。詳しいことは教えてくれなかった。ユタカ、落ち込むな。私も落ち込みそうだ」
 
 その声に返していた。
  「おこぼれで貰った感じか」
  「そう言うマサは?」
  「う……、そ、その……」
 
 
  「ほんと、隠し事が下手だねえ」
  「変わらんよなあ」
 この2人には昔から勝ち目が無かったけど、それは今でも同じか。
 そう思うと、言っていた。
  「貰った」
 
 サトルが聞いてくる。
  「で、何処に行くって?」
  「それは知らない」
  「え、知らない?」
 
 今度はジュンヤだ。
  「それじゃ、何を言われたの?」
  「新しくボスとなる人を連れて来て、”これから5年間、この人のガードをすることになる。ジュンのことよろしく”って」
  「新しいボス?」
 
 その言葉に、サトルは驚きの声を上げた。
  「まさか、トモヤがボスになるのか?」
  「そうだよ」
  「えー」
 
 ジュンヤはサトルに聞いている。
  「トモヤって誰?」
  「この忘れん坊! 対極の20位の奴だよ」
 
 その言葉に、ジュンヤだけでなくユタカも驚きの声を上げた。
  「えっ、あいつがボスに?」
  「なんで、どこであいつに会ったんだ?」
 
 そんなことは知らないので素直に答えてやる。
  「私に聞かれても分からない」
  「で、いつ戻ってくるって?」
  「5年間居ないからって」
 
 その言葉を耳にしたユタカは、益々落ち込んでいった。
  「5年も居ないのか……」
 
 
 
 

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