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自分の道は自分で決める! (74) 

 ジュンヤにアドバイスを貰いたくて行く。
 背中も見せると、こう言われた。
  「諦めろ」
  「どういう意味だよ」
  「背中は服で隠れる。時間は掛かるが消える。だが顔は今のが地顔だと思え」
  「えー」
  「色白な顔に色が付いたと思えば良い」
 
 その言葉に応じたのはサトルだ。
  「それもそうだな」
  「おい」
  「物は考えようだよ。色白でいつまで経っても細身でおれると思うな」
  「人をなんだと思って」
 
 ジュンヤも口を挟んでくる。
  「モデルじゃないから太ってもいいんだよ」
  「食べてるよ」
  「知ってるよ。もっと食えってことさ」
  
 
 このやり取りをしながら、ボソッと呟いていた。
  「愛なんて感情、欲しくない。こうやってバカしている方がいい」
 
 その呟きを拾ったのだろう。
  「なんだマサはフラれたのか」とサトルの声と、
  「なるほど、それでヤケになって日を浴びたのか」とのジュンヤの声が重なる。
  
  「日を浴びる?」
  「ライトを浴びながら、モデルはステージを歩くんだ。失恋したマサに言葉のプレゼントを贈ってあげよう」
 
 失恋してないし反論する気力も失せた。
 黙っているとジュンヤは話しだした。
  「愛とは、誰かとか物を大事に想うことだよ。良い例が私たちさ」
 
  「ん?」
 
  「特に、今回は子どもを他人に預けて外に出た。それは信ずるに値する人にね。それでも、まったく言葉を掛けられなかった人も居た。その人にとって、その言葉を掛けられなかった人たちは黙っていても分かって貰える。そういう存在だ。その代わり、言葉を掛けないといけなかった人たちは言わないと分かって貰えない存在なんだ。 好きとか、愛とかとは違う。かけ離れた思いだよ。自分にとって一番大事な物はなんなのか。それに気が付いたからの行動だと思う」
 
  「ジュンヤは一番大事なものってなに?」
  「自分の気持ち」
  「気持ち?」
  「そうだよ。昔はステージを観に来てくれるファンだった。そして9人の仲間。だけど最後にたどり着いたのは自分の気持ち。そうだろ、自分の気持ちが入ってないと相手には伝わらないんだ。サトルはどんな気持ちでケーキ屋をしてる?」
  「私は……」
 
  「マサは、相手にどんな気持ちを持っている?」
  「その人にも言ったんだ。愛してるとは思ってない。だけど嫌いじゃないよと」
  「マサは失恋したのではなく、これからだね」
  「なにが?」
 
 ふっと微笑んだジュンヤは艶めかしく綺麗に見える。
 口に出ていた。
  「さすがモデル」
  「え、なに?」
  「端正な顔立ちをしたナイスガイだよな」
  「なに今更……。って、違う。頭の中も日焼けしたの?」
  
 サトルまで、こう言ってくる。
  「マサ。頭、大丈夫か?」
 
 その2人に叫んでいた。
  「2人揃って同じこと言わないでっ」
 
 
 
 


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