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自分の道は自分で決める! (51) これからは新天地!

 その年の3月下旬にオーストラリアにあるパースに入った。
 私を入れて15人のスタッフが集まる。その内の9人はパースの人だ。
 
 武術は道場があるからいいが、肝心な銃のレベルアップはどうしよう。
 もう一度ショーンに言ってみようかと思い電話をする。
  「あれって本気だったのか。ギャラ100万ドル以上でないとOKしないぞ」
 
 100万ドルだなんて払えない。
 くそぉ、こうなると自分でやるか。
 
 だけど4月になるとドイツにあるフォン・パトリッシュ財閥のガードマンが加わり18人もの人数になった。
 ドイツのフォン・パトリッシュか。
 銃のレベルアップには最適な人材だ。
 ショーンには悪いが、やはり訓練されている人のほうが安心する。
 
 
 学生時代、頂点にいたボスが、オーストラリアのパースでドンとなる日の1週間前、バトラーのエドから参加される人の顔写真を貰った。
 見ていくと、知ってる顔ばかりだ。
 しかも、簡潔にプロフィールを書いてくれている。
 ガードが必要な人ばかりじゃないか。しかもNOガードで来豪されるとのこと。
 初めっから大変な仕事だ。
 
 会場の出入り口、控え室、パーティー会場と皆を振り分けていく。
 パーティー当日、皆よりいち早く見つけた。
 招かれざるべき客。
 サトルの生みの母親、スーザンだ。
 サトルと一緒に来ているのなら分かるが、サトルは既に会場入りしている。
 
 何しに来たんだと思って見ていると、スーザンは自分から声を掛けに色々と動き回っている。
 問題を起こすことなく無事に終わってくれたので安心したものだ。
 
 
 肝心のギャラはパーティーが終わった翌日、銀行に振り込まれた。
 ちゃんと振り込まれており、領収書を送るつもりで領収を切る。
 え、ちょっと待って。
 
 もう一度、振り込み画面を見つめる。
 やっぱり、違う。
 桁が多く、なにより数字が違う。
 それをボスに、いや、ドンとなったクリニック・ボスに言いに行くと、こう返ってきた。
  「ふふふ。スーザンからぶんどってやった」
  「なぜスーザン?」
  「ある人を紹介して会わせたのだから紹介料、仲介料として500万ドル頂く、と言って」
 
 そう言っているボスは本当に嬉しそうだ。
  「それはいいことだ」
  「だろ」
  「振り込まれた金額で領収書、書き直すよ」
  「そうしてくれ」
 
 領収書を書きながら聞いていた。
  「で、誰を紹介したんだ? まさかとは思うが、男か?」
  「正解! しかも病院関係者だ」
  「ほお。さぞかしいい男なんだろうよ」
  「そりゃ、そうさ。この私をシンガポールの病院でとスカウトしてくれた人だ」
  「スカウトマンか」
  「兼、室長だ」
 
 その言葉に驚いた。
  「は? スカウトマン兼室長? それって最高位の」
  「名前はスーザンも知ってたらしく、懐の紐を緩めてポンッと即金でくれたぞ」
  「誰?」
 
 ボスは頭を抱え込んだ。
  「んー……、ミスター……、ミスター……」
 
 あ、ボスの記憶力は相変わらずか。
 人の名前と顔が一致しないのは今もなんだな。
 そう思っていたら叫んできた。
  「ミスター・パース!」
 
 その言葉でなんとなくだが分かったので確認する。
  「オーストラリア代表でスピーチしてた人だね」
  「そう、その人」
 
 たしかフルネームはスチュワード・レイ=コウだったよな。
 ボス。
 いい加減に顔と名前を一致できるように覚えましょう。
 
 
 すると、こんなのを見せてくれた。
  「ボス、これって」
  「内訳だ」
  「そんな」
  「ほれ書け。はよ書け。書かないのなら私が代わりに書いてやる」
  「書くよ、書きますよ。でも……」
 
 中々、書かない私に腹が立ったのかボスは領収書を引ったくってくる。
  「分かった。代わりに書いてやる」
  「書くって言ってるだろ」
  「なら、とっとと書けよ」

 思わず学生時代の頃を思い出していた。
 それはボスも同じだったのだろう。意地悪そうな表情に笑みが見える。
  「ありがとう」
  「どいたも」
 
 
 

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ここからは新天地からの話しになります。
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