自分の道は自分で決める! (30)
信じられない。
警察や刑事で9割方が埋め尽くされている所に単身で来るだなんて。
余程、バレないと自信があるのだろうか。
しかも、私を担いでくれる。
「ちょっと、ショーン」
「それを消毒してやる」
ロビーには大勢の人が集まっている。
その中をショーンは堂々と立ち去ろうとする。
恥ずかしいなあ、もう。
でも堂々と拉致られてたまるものか。
「拉致罪で逮捕だ。被疑者ショーン・コナー捕獲っ」
ショーンの片腕を上に上げた反動でロビーの床に落ちてしまったが、私は警視なんだ。
今までみたいにされると困る。
「何故?」
「ショーン。私は警視だ。マサタカ・タカセ、インターポールでの警視だ。その人間を拉致できると思うなっ」
「でも手錠は持ってない」
「今はね。でも周りの人間は持っている。今日は警察関係者が9割を占めている。数ヶ国もいる約30,000人の警察関係者に対して逃げ切れると思う?」
「1パーセントでも残っている限り、俺は逃げる」
「どうやって?」
「こうやって」
私を抱き上げ方に担ぎ上げようとしているが、そうはさせない。
蹴ってやる。
「こら、暴れるな」
「警視命令だ! こいつを捕まえろっ」
皆が寄ってくる。
もみくちゃにされる前にショーンから離れる。
しかし、こんなにも大人数が囲み捕まえようとすると穴が開く。だから、その出口となる玄関で待つ。
そんなにも経たないうちにショーンは出てきた。
「ったく、あいつは……」
「こっちだ」
「え。どっちって」
今度は5人がショーンの周りを囲む。
だがショーンは不敵な笑みを浮かべる。
「俺を撃ってみろ。いろんな奴から睨まれるぞ」
その時、凜としたハスキーな声が割って入ってくる。
「単身で来る方がどうかしていると思うけどな」
その声に振り向くことなくショーンは応じている。
「総監になれたのは誰のお陰だ?」
「もちろん、君のお陰さ。だけど君はいつもスルリと逃げる。一人の人間に固執することなかったのに、どうして?」
「固執なぞしてない」
「インターポールにはジンクスがあってね。君に絡まれた奴は昇進するんだ」
「へえ。なら俺はなくてはならない存在か」
「だから、今日の決闘は警視になったマサの歓迎会なんだよ」
その言葉に文句を言いたかった。
「警視総監。私は」
だが、総監は遮ってくる。
「マサ。今日はお疲れ様。あのルノーと互角だなんて凄いな」
「お互い本気を出していなかった。それだけです」
「それでも凄いよ。パネルから目が離せなかった」
いきなり身体が浮いた。
「ほんとに凄かったよな」
「わあっ。降ろせっ! てか、パネルってなに?」
「それじゃ、アデュー」
「降ろせって言ってるんだ。拉致罪で独房に入れてやる」
「ははっ。威勢のいい奴だな。観客席から地上でのことが見れると思うな。こういった競技場にパネルは付き物だろう」
「げ、まさか……。もしかして、皆に、見られた……?」
「そうだ。それに、今まで何回も、ここの独房に入っているが住み心地いいぞ」
「くそぉー」
フランスの警視総監は、そんな2人を静かに見送っていた。
そんな時、声が掛かる。
「いつもは自分だったのに、どうしてマサなんだ」
その声にハッとして後ろを振り向く。
「固執されいい気分になっていたのに、マサがいなくなれば戻ってくるだろうだなんて思っているのでは?」
「なんのことだ」
「総監。いや、マイク。お前は何度ショーンにエッチされた?」
「だから、なんのことだ」
「俺は別に構わないが。マサはショーンのペットみたいだな」
その言葉に苦笑していた。
「ペットね」
「まあ、安心顔になって」
「別に」
「今でも、あいつにエッチされてる夢を見るのだろう。あんなことや、そんなことなど」
「煩いっ! お前に私のことが分かるものか」
「俺だって、あいつにエッチされたことあるんだから分かるぞ」
そう。
ショーンに抱かれエッチされた刑事は自分だけではない。
目の前にいる副総監もだけど、他にも知っているだけで6人がいる。
「マイク、どこ行くんだ」
「帰る」
「お疲れ」


マサって鈍いわねー…
警察や刑事で9割方が埋め尽くされている所に単身で来るだなんて。
余程、バレないと自信があるのだろうか。
しかも、私を担いでくれる。
「ちょっと、ショーン」
「それを消毒してやる」
ロビーには大勢の人が集まっている。
その中をショーンは堂々と立ち去ろうとする。
恥ずかしいなあ、もう。
でも堂々と拉致られてたまるものか。
「拉致罪で逮捕だ。被疑者ショーン・コナー捕獲っ」
ショーンの片腕を上に上げた反動でロビーの床に落ちてしまったが、私は警視なんだ。
今までみたいにされると困る。
「何故?」
「ショーン。私は警視だ。マサタカ・タカセ、インターポールでの警視だ。その人間を拉致できると思うなっ」
「でも手錠は持ってない」
「今はね。でも周りの人間は持っている。今日は警察関係者が9割を占めている。数ヶ国もいる約30,000人の警察関係者に対して逃げ切れると思う?」
「1パーセントでも残っている限り、俺は逃げる」
「どうやって?」
「こうやって」
私を抱き上げ方に担ぎ上げようとしているが、そうはさせない。
蹴ってやる。
「こら、暴れるな」
「警視命令だ! こいつを捕まえろっ」
皆が寄ってくる。
もみくちゃにされる前にショーンから離れる。
しかし、こんなにも大人数が囲み捕まえようとすると穴が開く。だから、その出口となる玄関で待つ。
そんなにも経たないうちにショーンは出てきた。
「ったく、あいつは……」
「こっちだ」
「え。どっちって」
今度は5人がショーンの周りを囲む。
だがショーンは不敵な笑みを浮かべる。
「俺を撃ってみろ。いろんな奴から睨まれるぞ」
その時、凜としたハスキーな声が割って入ってくる。
「単身で来る方がどうかしていると思うけどな」
その声に振り向くことなくショーンは応じている。
「総監になれたのは誰のお陰だ?」
「もちろん、君のお陰さ。だけど君はいつもスルリと逃げる。一人の人間に固執することなかったのに、どうして?」
「固執なぞしてない」
「インターポールにはジンクスがあってね。君に絡まれた奴は昇進するんだ」
「へえ。なら俺はなくてはならない存在か」
「だから、今日の決闘は警視になったマサの歓迎会なんだよ」
その言葉に文句を言いたかった。
「警視総監。私は」
だが、総監は遮ってくる。
「マサ。今日はお疲れ様。あのルノーと互角だなんて凄いな」
「お互い本気を出していなかった。それだけです」
「それでも凄いよ。パネルから目が離せなかった」
いきなり身体が浮いた。
「ほんとに凄かったよな」
「わあっ。降ろせっ! てか、パネルってなに?」
「それじゃ、アデュー」
「降ろせって言ってるんだ。拉致罪で独房に入れてやる」
「ははっ。威勢のいい奴だな。観客席から地上でのことが見れると思うな。こういった競技場にパネルは付き物だろう」
「げ、まさか……。もしかして、皆に、見られた……?」
「そうだ。それに、今まで何回も、ここの独房に入っているが住み心地いいぞ」
「くそぉー」
フランスの警視総監は、そんな2人を静かに見送っていた。
そんな時、声が掛かる。
「いつもは自分だったのに、どうしてマサなんだ」
その声にハッとして後ろを振り向く。
「固執されいい気分になっていたのに、マサがいなくなれば戻ってくるだろうだなんて思っているのでは?」
「なんのことだ」
「総監。いや、マイク。お前は何度ショーンにエッチされた?」
「だから、なんのことだ」
「俺は別に構わないが。マサはショーンのペットみたいだな」
その言葉に苦笑していた。
「ペットね」
「まあ、安心顔になって」
「別に」
「今でも、あいつにエッチされてる夢を見るのだろう。あんなことや、そんなことなど」
「煩いっ! お前に私のことが分かるものか」
「俺だって、あいつにエッチされたことあるんだから分かるぞ」
そう。
ショーンに抱かれエッチされた刑事は自分だけではない。
目の前にいる副総監もだけど、他にも知っているだけで6人がいる。
「マイク、どこ行くんだ」
「帰る」
「お疲れ」

マサって鈍いわねー…