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自分の道は自分で決める! (24) 

 決闘当日
 
 晴れ渡った日の午前、それは開催された。
 雲一つない青空で風はあまりない。1月とは思えないほど寒さは感じなかった。
 
 フェンシングスーツに身を包み、面をかぶり剣と盾を手にする。
 ルールは傷を負わすのはいいが、殺さない。
 相手がギブアップした時点で勝敗が決まる。
 審判はフェンシング協会のスタッフという本格的なものだった。
 
 お互いが一礼すると馬に乗りフェンシングを構える。
 盾は自分の背にするかサイドにするかと迷ったが、右サイドにする。
 ルノーも右サイドにしている。
 
 審判のGOサインを合図に馬を駆る。
 馬もフェンシングも初めてではない。この2つが合体したものが初めてなんだ。
 ボスの「最終的に馬を捨て人間同士の戦いをする」という言葉を聞いて安心したものだ。
 
 まずは目に物を見せてやる。
 馬を走らせ、相手が半径1メートルに達するときにジャンプする。
 気が付くだろうか。
 着地し数メートル走らせると手綱を引き、方向を百八十度変える。
  「の野郎、よくもっ」
 
 お、気が付いたのか。
 流石だ。
 右サイドに盾を括り付けているので、どうしても左に回らないといけない。それはお互い様だ。
 先ほどの一撃が私で、しかも切り傷を付けられた。それがルノーにとって嫌なことで、攻撃的にさせたみたいだ。
 こいよ。流してやる。
 
 低めにジャンプして突いてこようとするのが分かる。
 文武両道の人間をナメルなよ。
 彼よりも高めにジャンプして躱す。
 低めにジャンプすると着地点が早く方向転換が早くなる。ルノーは私の着地点を計算して走ってくるだろう。着地すると勢いを殺すことなく、そのまま競技ラインに沿って走らす。
 後ろから追いかけてくるのが分かる。
 中腰になり馬を走らせる。
 これは、早めに馬を捨てるためだ。
 
 ルノーは追い上げてくると、私の左側に並んできた。
 なるほど左はガラ空きだからな。
 でも、あいにくだったな。
 私は両利きなんだ。元は左利きさ。
 口に加えていた剣を左手に持ち替え右手で手綱を握り直す。
 やっぱり、こっちの方が安定する。
 途端に突かれる。
 が、すんでのところで剣で相手の検先を薙ぎ払い距離を取るように離れる。
 
 
 競技ラインの直線に沿うように馬の向きを変え止める。
  「もう少ししたら休ませてやる。それまで頑張ってくれ」
 
 意味が通じたのか、馬はブルル……と応じてくる。
 息遣いが荒く、蹄の音がカッカッカッと聞こえてくる。
 あらら、その気にさせてしまったか。
 対するルノーも同様に、こちらに馬の方向を向ける。
 
 
 気持ちを抑えようと瞼を閉じる。
 暫くすると静かな時間になる。
 歓声もヤジも飛ばない。
 咳の一つもない。
 
 この感覚は久しぶりだ。
 静かに瞼を開く。
 
 
 パートナーである黒馬”くろちゃん”に、声を掛けてやる。
  「いくぞ。3,2,1.GO!」
 
 
 
 
 

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