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自分の道は自分で決める! (17) 男とは夢見る少年さ

 被疑者ショーン・コナーに逃げられてしまった。
 なのにインターポール本部から「是非、こっちで働いて欲しい」と連絡が着た。
 刑事になっても、まだペーペーだし勉強不足だと断りの返事をするが、その返信の文章にとどめを受けた。
  『年数より、なにをどのようにして生きてきたのか。また勉強不足というのは何を基に言っているのか。あなたは自分の力を試そうという気はありますか?』
 
 その言葉は、学生時代ボスから言われた言葉を思い出す。
  「マサは虐められたことある?」
  「え?」
  「私は幼稚園の年少だったかな。よく虐められていた」
  「あのね、私の話を聞いていた?」
  「うん、聞いていたよ」
  「その返事が、それなの?」
  「これから話すことが、マサへの返事だ」
  「なら聞かせて貰おう」
  「私は虐められ母から演技が必要だと言われた。意味が分からなかった。だけど、分かったのは、これだけ。”自分で変わろうとしなければ相手は変わらないんだ”ということだよ。その証拠に何も言えず泣いていた私は、その演技をした翌日から虐められることはなくなった。代わりに親友ができたんだ」
  「ボスの話って、時々分からないことあるからなあ」
  「マサ、人間は誰でも可能性を秘めている。自分の力がどんなことに発揮されるのか、それはしてみないと分からない」
  「それ位分かってるよ」
  「自分の力を試そうという気はないのか?」
  「戦闘機の操縦だよ。それには」
  「夢を見せてくれると私は思っている」
 
 その言葉に、思わず言っていた。
  「ボスって子どもから脱してないってことか……」
  「男って夢見る子どもだよ」
  「うーん……」
 
  「逃げるのはいつだってできる。今しかないチャンスに私はワクワクしているんだ」
  「お金掛かるんだよ」
  「投資だよ」
  「投資って」
  「今、この時を逃すと、この手の話しはないだろう。受けるだけ受けて合格したら、その分楽しさは倍増する。ねえ、マサ。私はやりたがり屋ではなく、自分の力を試しているだけなんだ。それにハマるかどうかは、この後の話さ。臆病になるな」
 
 ボスの声で聞きたい。
  「ボス、もう一度……。もう一度、声を聞きたい」
 
 
 あの時だってそうだった。
 あの時、ユタカの家で殴られ骨折まがいなことをされた時。
 5人が集まり、各自が思いを口にしていた。
 
 ユタカの言葉は、こうだった。
  「学長や理事長達を顎で使え。東響大学の学長を超えて、ボスになれっ! お前ならなれる。私が居るから、お前の行く手を塞ぐ奴等を蹴散らしてやるっ」
 
 ジュンヤの言葉は、こうだった。
  「君は無理をし過ぎの傾向がある。溜めるな。皆に振り分けて良いんだよ。その為に私達9人が居るんだ。こき使ってくれ」
 
 タカの言葉は、こうだった。
  「私は君が好きなんだから。好きな人の側に居たいという気持ちは分かって欲しいな」
 
 サトルの言葉は、こうだった。
  「私は人間環境には恵まれてるなって思ってるんだ。ボスも、恵まれてると思うよ。それは、今ここに来てる奴等が答えだ」
 
 私も言ったよね。
  「私には誰でも良いという感覚はない。医学部に籍を置いてるが、卒業後は警察関連の仕事に就く。親が総監だからな。でも最初の数年は病院勤務なんだ。それは決まってる。だけど、それを覆すつもりはない。私を試すつもりだとは思うが、親の七光りではなく己の力を知りたいからだ。ボスも、己の力を知りたいと思わないかい? せっかく入学したのに、仲間からボス呼びされても好い気になってない。ならば、ユタカが言ったように皆を顎で使え。実際に大学のボスになると良い。私は賛成するよ。それに、君が生きてる限り、私は君の側に居たい」
 
 あの4人の言葉に頷くものがあった。
 ボスのことを大事に大切に思っている言葉だった。
 
 でも、ボスの言葉は一言だけだった。
  「おまえ等、バカか」
 
 そんな言葉でも嬉しかったんだ。
 まともに聞いてくれたこその言葉だと思えたからだ。
 
 
 そうだね。
 人生って投資の連続だね。
 誰と会ってなにをするのかも分からない。
 この私が国際指名犯のブラックリスト№1と出会うだけでも奇跡なのに、エッチなこともされたし。
 今回の日本帰国だって戦闘機の操縦の免許を取っていたからこそのナビ変更ができたんだ。
 
 私は弱気になっていた。
 もっと強くなりたい。
 
 
 
 

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