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自分の道は自分で決める! (14) 

 独房の中には真っ裸になった上司が震えていた。
 声を掛ける。2人だけだから名前で呼んでもいいだろう。
  「ヨシ、どうした」
 
 反応してくれた上司ヨシは、こう返してきた。
  「マサ……」
  「どうしたんだ。まさか、その格好……」
 
 
 ヨシは私の顔を見ると安心したのか抱きついてきた。誰かが居るとできない態度だ。
  「あの野郎、絶対に許さねえ」
  「いったい何があったんだ」
  「あいつは、お前のが外せなくて両手塞がりだ。お前ならできるだろ。とっとと引っ捕まえてこい」
  「その前に、どうしてこうなったんだ?」
 
 ヨシは黙ったまま何も返してこない。
 身体を突き放してやる。
  「言えよ! どうしてこうなったのか」
  「あいつは……」
 
 耳打ちされる。
 他の奴らには知られたくないからと言って話しだした。
 いや、私たち2人しか居ないのだけどなんてことは言えなかった。
 話し終わったヨシに愕然とした。
  「ヨシ! お前は」
  「そしたら、このザマだ」
  「クスリは?」
  「クスリって、ヤクか?」
  「いや、自白剤だ」
  「いや、なにもない」
  「なら安心だ」
 
 床に放り投げられているスーツの上衣を見つけたので、ヨシの背に掛けてやる。
 その時に見えた。
 ヨシの背に書かれたダイイングメッセージ。
  「んの野郎……」
 
 ふざけやがって。
 今はこうやって上司風を吹かしているが、中学卒業するまでは仲のいい友人だったんだ。
 お互い一人っ子で兄弟のようにくっついていた。
 正孝のマサと芳樹のヨシで、マサ&ヨシと呼ばれていたんだ。
 
 ショーン、許さないからな。
 
 ヨシの背に書かれたスペイン語のダイイングメッセージ。
  「上で」
 
 戦闘機の中でスペイン語でも毒づいてやったからこそのものだろうな。
 ヨシに怪我がないので、恐らく、あれはショーンの血だ。
 
 
 上ということは、総監室の天井をぶち抜いた戦闘機の中だろう。
 自分で壊したくせに、あれで逃げれると思っているのだろうか。
 
 
 
 
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