FC2ブログ

自分の道は自分で決める! (10) 

 戦闘機は本来揺れないように設計されている。そのために水平に保つように水平翼を付けているのだ。だけど、この揺れはどうしたのだろう。
 
 ショーンは操縦席だし、私は後ろの広場でゴロゴロと揺られていた。
  「おい、静かにしろ」
  「揺れるのだから仕方ないだろ」
  「お前がゴロついて計器類を触ったり蹴ったりしてくれるから」
  「ならシートベルトで固定してくれ」
 
 自分のことは棚にあげて他人のせいにしやがって。あんたが操縦席に座ったままシてくるからだろ。
 
 ショーンが持ってきたのはベルトでなく幅広の鞭だった。
  「それをどうするつもりだ」
  「固定する」
 これ以上なにも蹴るなと罵りながら私を階段の手摺りに括り付けてくる。
 大丈夫なのかなと不安がよぎる。
 
 ショーンが再び操縦席に座ると、その不安が的中した。
 揺れが大きすぎて手摺りが折れてしまった。
  「う、うわぁー」
  「うるさっ」
  
 
  「あれ、どこ行った」
  「ここだ、ここ。助けてくれっ」
 
 日本語だけでなくフランス語を始めドイツ、イタリア、中国、ポルトガル、スペインと自分の得意な言語を晒して、ある言葉を言ってやる。 ショーンはしばらく黙っていると、こう返してきた。
  「へえ、元気そうだな。そこなら安定してて大丈夫だな」
 
 安定しすぎだろ。
 しかも色々な物が乗っかり重い。
 こんな幅広の鞭から縄抜けの要領で脱することができるだろうか。
 せめて普通サイズならできるのだが。
 まあ、試してみるか。
 上だけでも外せると……と、そこで思い出した。
 
 ペンダント。
 大学の卒業記念として皆で作った万能ペンダントだ。
 ナイフやカッターだけでなく閉じ込められたら、どんな形状の鍵穴でも傷を付けることなく開けることができる代物だ。逆に、これを使って鍵を閉めると、誰も開けることはできない。
 それは、自分のDNAを組み込んでいるからだ。
 3年生に上がると、私は手錠と銃を作ったんだ。
 それも持ってきたのを思い出した。
 
 ショーン。
 相手が悪かったな。
 
 
 ひとまずは目の前に見える台座をどかさないと。
 この台座はレプリカだな。
 ペンダントをなんとかして口に咥え、その台座のでっぱりを切り落とす。
 そのでっぱりがないだけでも気持ちは違う。
 
 揺れは続いている。
 その揺れを利用して幅広の鞭にあてがい力を込めて身体を捻る。それを数回すると緩んだので、今度は思いっきり捻る。
  「っと」
 危ない危ない。
 手は自由になったが、その反動で違う物に当たり怪我をしそうになりそうだった。
 
 あとは蓑虫のごとく、このガラクタ山から這い出てから脚の鞭だ。
 
 
 思わず息を吐く。
  「しかし、凄い揺れだな」
 
 あることが閃いた。
  「ショーン、相手を選べよ」
 
 
 
 


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ



何が閃いたのかな?

関連記事

0 Comments

Leave a comment