FC2ブログ

自分の道は自分で決める! (3) R15? ソフト描写です。

 目が覚めるとショーンと向かい合って寝ていた。
 一つのベッドを誰かと寝るだなんて初めてのことだ。軽くパニックになっていた。
 
 目の前で寝息を立てているショーンは格好いい。
 一介の刑事が国際指名犯に尻を掘られる。
 この言葉の意味は分かる。
 学生時代のゼミ教授がホモだったから、その手の話しは嫌と言うほど染み込んでいる。
 父には、絶対に知られたくない。
  「警視総監の息子が国際犯罪者になにをされていたのか!」と怒鳴られるのが目に見えている。
 
 それに、ここはどこだろう。
 微かに光が漏れてきているのは、あそこに窓があるのだろうか。
 ショーンを動かさないようにして起きると、その光に近寄っていく。
 窓の向こうに見えるのは凱旋門。
 その凱旋門が、こういう角度に見えるということは、ここはモンマルトル辺りか。ホテルに帰ろうと思えば帰れる。だけど、今は駄目だ。ベッドから降りて窓際まで来るのに、どれだけ体力を使ったことか。外になんて出れない。
 窓の向こうを眺めていると声が掛かる。
  「外に出たいか?」
 
 ショーンも起きたみたいだ。
 夕べは中国語だったのに今では英語になっているので、こっちも英語で返してやる。
  「出たいが、今は無理だ」
  「お前が素直に吐けば済むことだ」
  「知らないと言ってるだろ」
 
 また、この繰り返しか。
 不毛の言い合い。
 時間の無駄使い。
  「なにを知りたいんだ?」
  「なら、質問を変えよう。なぜ、あそこに居た?」
  「あそことは?」
  「エリゼ宮」
  「エリゼ宮は行きたい所の一つで行っただけだ」
  「エッフェルにも居たよな」
  「エッフェル塔は有名なところだ。観光したい場所だ」
  「コンコルドの広場にも」
  「行きたい、観光したいから行っただけだ」
  「それじゃあ、俺の仕事を邪魔したのは何故だ」
  「仕事ってなに?」
  「それとも偶然だと言いたいのか?」
  「偶然だ」
 
 そう言い切ってやると、こう返された。
  「二度も三度も偶然が重なるものか」
 
 
 待て、仕事の邪魔をしたって言ったのか。
 もしかして、この人、あの場で人殺しするつもりだったのか。
 私が邪魔だということは、私の近くに居た人がターゲットだったのか。
 阻止できてよかったよ。
 
 
 四度目の偶然が起きた。
 場所はルーブル美術館だ。
 一般人も観に行けるので、私も観に行っていた。
 いきなり腕を捕まえ引っ張られる。
 スリか。
 いや、こんなところでスルにはと思っていたら唇を塞がれていた。
 しかも、目の前には怒り顔のショーン。
 そのショーンに、ある部分を触られていることに気が付き、手をどかそうとしていたのにショーンは力を入れて強めに握ってくる。
 
  「っ……」
 声にならない。
 お願いだからやめてくれ。
 こんな場所で、こんなことをしないで欲しい。
 ショーンの唇が離れていく。
  「は……、に、を」
 
 ショーンに寄りかかるように抱かれる。
 するとくぐもった音が聞こえた。
 この音はなんだ。
  「本当に邪魔な奴だな。まあ、いい。やっと終わった」
 
 微かに匂うそれは、サイレンサーか。
 まさか、自分の仕事をするために私を引っ張ったのか。
 
 
 いきなり女性の悲鳴が上がった。
  「キャー! 誰か、人殺しよ。この人、死んでるっ」
 
 その声に我に返り、声のした方を振り向く。
 駆け寄り近づくと、既に息絶えていた。
 たしか、この人と話しをしたことがあったな、なんてことを思い出す。
 
 ショーンは、この人だかりの中を確実に一発で仕留めるだなんて、さすが超A級スナイパーだな。
 
 
 
 
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


関連記事

0 Comments

Leave a comment