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クルーザーで太平洋巡り! (22) 

 その人の話は、こうだった。
 
 我々は俗に言う魔法使いだ。
 風火水土。
 四つ全てを持つ者も居れば、一つしか持たない者も居る。
 
 15代国王と王妃は2人とも全てを持っていた。
 3人の子どもが生まれ、第一王女は風と水。
 第一王子は風と土。
 第二王女は土を持って生まれた。
 
 ある日、王妃は悪者の手で殺された。
 なぜ殺されたのかは第一王女の力を封印したから、そのせいで奴らに襲われた。
 封印したばかりの第一王女は別の日に違う奴らに誘拐された。
 数年後、日本で生きていることを知り、私たちも日本に移った。
 第二王女のアニーはカナダの土地に縛られ、出国することはできなかった。
 
 国籍が違うんだ。
 キャロルとジョージは日本で生まれたから日本名が付いているが、アニーはカナダで生まれた。
 だから、カナダで1人で暮らしておる。
 
 力を封印されたまま日本で生きていたキャロルは死ぬことができた。
 我々は、こうやって閉ざされた場所でしか生きられない。
 ジョージは童顔で若く見えるから、よく行き来してるがな。
 
 色々なところに行っておるよな。
 
  「あはは。童顔だからね。現在は31歳で通してる」
  
 友明は聞いていた。
  「実際は?」
  「113歳」
 
 すげえサバ読み。
 でも31歳だと言われれば31歳に見える。
 そうだ、お母ちゃんは私の年齢に50を足した数字が年齢だから、114歳だ。
 えっと、113歳か。
 
 
  「あ、それともう一つ付け加えておく。テレパシー使えるからね。だから君の考えていることなどは分かるから」
  「え?」
  
  「ああ、それと。君の中に巣くっている存在も知っているよ」
  「ああ。アレは亡き14代が住まわせていたな」
  「だからか、この存在を知っているって思っていたんだ」
 
 
 その言葉に思わず両手で顔を隠してしまった友明だった。
 ってことはなんだ。
 総括すると、お母ちゃんはこの国王の第一王女であり魔法使いでもあるということか。
 で、この2人には、私は母の実子でないと知られている。
 最初に言ってたからな。
  「血を引いてない」って。
 
 しかし2人とも若い。
 113歳の子と、その親って130歳を超えているってことだろう。
 魔法使いでなければ生きていられないよな。
 
 もしかして博人さんは、私のお母ちゃん熱を下げさせようという魂胆なのか。
  「博人さん、もしかして」
  「言っておくが、私だってこんなこと知らなかったんだ」
  「今回のクルージングの目的は?」
  「ただ、あの2人に会いたくて。それとレディ・アニーと会う日が決まっていたから」
  「ここには?」
  「レディ・アニーから寄ってみてと言われて来た。それだけだ」
 
 
 そういうことかと納得した。
 だが、目の前の2人は、こんなことを言ってくる。
 お母ちゃんの血を引いていたら、私の叔父にあたるだろう男性からは、こんなことだ。
  「君はマザコンなんだね」
  「違いますっ! ただ母が好きなだけですっ」
  
  私の祖父にあたるだろう初老の男性からは、こんなことだ。
  「キャロルも育て甲斐のある日を過ごしていたんだな。ここまで思われて本望だろうよ」
  「ありがとうございます」
 
 しかも、こんなことを言ってくれる。
  「血は引いてなくても、繋がりのある人間がいるのは喜ばしい。現世では、もう逢うことはできないだろう。出会えたことを嬉しく思う。お願いがある。長生きして、強く生きて欲しい」
  「ありがとうございます」
 
 
 
 
 


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あは、ここでもマザコンだと言われたね(笑)
 「るさいっ!」 by 友明
 「うんうん」 by 博人

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