FC2ブログ

クルーザーで太平洋巡り! (19) 

 ヨットのエンジンを止める。
 徹君はすかさず着ている服を脱ぐと飛び込み、ポケットは日陰を探し座る。
 少し待ってると元気そうな声が聞こえてきた。
  「ぷっはー! 気持ちいいっ」
 
 思わず声に出ていた。
  「インドアとアウトドアの違いだな」
  「私は応援する側だ」
 
 即答で返ってきたその言葉に笑ってやる。
  「なら、私も泳いでこよう」
  「行ってらっしゃい」
 
 
 博人は日陰で涼んでいると声が掛かる。
  「ヒロは泳がないのか」
  「こんな爺さんが泳ぐと一発KOだ」
  「ははっ。自分が年寄りだと自覚あるんだな」
  「友が泳いでるんだ。アツシも泳げるはず」
  「こんな炎天下で……、わあっ」
 
 ドボンッと海に突き落としてやる。
  「ヒロッ! なにを」
  「若者に交じって泳いでこい」
 
 
 徹は言ってくる。
  「敦さん、落とされたね」
  「まったく、あいつはあ」
 
 友明も言ってやる。
  「年寄りの爺ちゃんのくせに力あるからなあ」
  「なにをやっても叶わないのが癪に障る」
 
 
 
 それでも体感で1時間経っただろうか。
 それぐらいで3人はヨットに戻る。
 もう少し南下した地点で、もう一度ヨットを止めた。
  「どうするの?」
  「これ、作ってたんだ。1人一本ずつだ」
 
 博人さん手製の銛だ。
  「これで、泳いでる魚を突く。食べられない魚を突くなよ」
  「どんなのか分からないけど」
 
 しかも、こうも言ってくれる。
  「それが今日のランチだ」
 
 いつの間にかクルーザーも近くに来ている。
 そうか、ショーンが操縦してきたのか。
 
 なんとか捕れたので、ランチにありつけた。
 
 今度は博人さんが操縦士だ。
  「どこ行くの?」
  「秘密」
 
 
 この秘密っこ野郎。
 
 この操縦士は、どこに向かって走らせているのだろう。
 スピードを上げている。
 小型ヨットでなくボードを降ろしている。
  「友、行くぞ」
  「どこに?」
  「この岩場は南アメリカの最南端にある岬だよ。ここからはボードでないと行かれないんだ」
 
 
 あ、なんだって?
 南アメリカの最南端の岬って、そこまで走らせたのかよ。
 
 
 

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ




関連記事

0 Comments

Leave a comment