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クルーザーで太平洋巡り! (14) 

 一夜明けた翌日、腰が痛むので朝食作りを徹君に任せる。
 任せられた徹は、張り切って日本食にした。
  「おお、味噌汁だ」
  「お漬物まである」
 
 徹君は嬉しそうだ。
  「えへ、日本食にしてみました。どうぞ」
 
 食べ終わると博人さんは言ってくる。
  「買い出しも必要だし、今日は陸で過ごすよ」
  「オー!」
  「ちなみにフランス語でないと言葉は通じない」
 
 その言葉にポケットは応じる。
  「地理的にカナダか」
  「そうだ」
 
 その言葉に驚く。
  「カナダなの?」
  「そうだ」
  「やった!」
 
 カッツポーズをしていた。
 カナダは寒いぞという言葉を聞き、長袖にしようかと考えていたら声が掛かる。
  「友。一緒に行って貰いたいところがある」
  「いいよ」
  「で、これ渡しとく」
 
 手渡されたのはカナダ紙幣。
  「これって、お金?」
  「それで花束を買ってくれ」
  「は? な、たばって……」
  「手土産がないんだ。必要だろ」
  「相手は女性か」
  「ばあさんだけど」
  「何歳の人?」
  「100歳代」
 
 思わず考えていた。
  「了解……」
  「だからと言って、ばあさんっぽいのでなく、お洒落で華やかな感じにしろよ」
  「博人さんは?」
  「他に買うものがあるんだ」
  「ショーンと一緒?」
  「え?」
 
 その表情で分かった。
  「いや、なんでもな」
  「友。さっきも言っただろ。一緒に行って貰いたいって」
  「うん、分かったから」
 
 
 博人さんは、こんなことも言ってくれる。
  「だから服装も小綺麗でお洒落なのにしろよ」
  「分かったって……。え! そんなの持ってきてない」
  「別にスーツでなくていいから」
  「いや、だから」
  「ばあさんとは言え女性だからな」
  「はいはい、なんとかして……」
 
 クローゼットを開けて物色し始める。
 何を着ようかな。
 博人さんを見るとシャツとパンツに着替えジャケットを羽織っている。
 視線に気が付いたのか、こちらを見る。
  「なんだ?」
  「博人さんは、それで行くの?」
  「そうだけど、どうした?」
  
 改めてみると、いい男だ。
 持っている物は最高級品だし、こんなときでも慌てない。
 金持ちだしルックスもいい。
 女性は放っとかないだろうな。
 
  「友、どうした?」
 何も返せないでいる私に、博人さんは近づいてくる。
 あげくに、こんなことを言ってくる。
  「改めて見ると、いい男だと思っているのか?」
  「な、なに、を」
  「小さい頃から、中身だけでなく外側も磨いていけと師事されてきたんだ。常に男であることを忘れるなと言われてきた。友も見習うんだな」
  「この……、ボンボン坊ちゃんめっ」
 
 ははっと笑いながら博人さんは支度していく。
 うー……。
 ほんとに悩むなあ。
 
 
 

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ショーンとの闘いが終わると、翌日は女性と会うために友明を振り回す博人でした。(笑)

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