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クルーザーで太平洋巡り! (10) 宿敵との闘い

 博人は板の間の中央に向かう。
  「今度は私と」

 だけど、ショーンはそれを遮る。
  「いや。その前に、そいつだ」
  「トモとするの?」
  「ギャフンと言わせてやる」
  「シェフなんだけど」 
 
 友明はショーンの言葉に応じてやる。
  「そっちの得意なもので相手してあげよう」
 
 博人は嫌な気がしてならない。
  「トモ」
  「大丈夫だよ」
 
  「なら少林寺と合気道だ」
  「OK」
  「あんたをギャフンと言わせてやる」
  「こっちの台詞だ」
 
 構えで分かる。こいつは私を殺す気だ。どっちが先にスタートを切るのか。
 少林寺か合気道か。それとも空手か。
 先に仕掛けてきたのは向こう。
 しかも長い蹴り。
 やっぱり空手も入れての異種か。
  「よく見切ったな」
  「ショーン、やめろ」
  「ヒロ。さっきも言ったが、あれは俺の本心だ。よく見ておけ。この月面ヅラを拝めるのは最後だ」
 
 その言葉にピンときた。
 そうか博人さんはショーンと一緒に居たのか。
 
 
 空手の連発が繰り出される。
 拳と蹴りが交互とか同時にくる。空手は苦手だなんて言ってられない。
 長いストロークを躱し懐に入ると足を引っかけバランスを崩してやる。が、担ぎ上げられる。
 誰がさせるか。こうなると噛み付くか。
 
 投げられると思っていたのに、そいつは力を込めてくる。
 なるほど締め付けていたぶるつもりか。
 サド野郎。
 
 でも傷とか怪我などの肉体的なのは私の中に居るアレが治癒してくれる。締め付けているつもりだろうが効果はない。
 ショーンの動きが止まる。
 その隙に、得意の合気道で連発を数発かましてやる。
 放り投げられたが床に足が着くと即座にジャンプする。
 空手は無理だが、これはできるんだ。
 ここはクルーザーなので天井は低い。だから天井に手を貼り付ける。
 膝を曲げ、ショーンの顔面に膝から下の部分を使いキックを浴びせる。
 もちろん効果音も忘れない。
  「アチョチョチョ――……」
  
 こっちも疲れるので十発目には膝を使う。
 そう、今度は膝で顎下を狙い天井にショーンの頭がつくように顎下から突き上げる。
  「トオッ」
 
 天井に頭をつき、そのまま床に落ちたショーンは頭を数回振っている。
  「くそぉ……。一筋縄ではいかないということか」
 
 
 そう言うと、今度は少林寺の構えを取る。
 なるほど、こいつの得意は少林寺か。
 どのみち、これ以上はさせない。 
 だけど、やはり長く強い蹴りには舌を巻くものがある。
 素早く力強いキックと拳は空気中の埃をまき散らせる。
 嵐みたいだ。
 そう思えるほどの凄まじさだった。
 
 その嵐が治まるのを床に片膝をつき中腰の姿勢で、目を瞑って待つ。
 腕は、もちろんウルトラマンのビーム光線の体勢だ。
 しばらくすると動きが止まった。
  「は。お粗末な姿だな。今度は、その面だ」
  「ショーン、やめろっ」
  
 
 
 博人さんのバカ。
 でも、こいつはやめないだろう。
 
 こい。
 お前の最後だ。
 
 
 
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