クルーザーで太平洋巡り! (9)
しばらくすると博人さんはショーンを連れて来た。
「もっと音量を下げて言ってくれるかな」
「早く食べよ」
ダイニングの丸テーブルに5人分をセッティングする。
博人さんを中心に、左側は私。右側は徹君とポケット。
そのポケットの右隣はショーンだ。
「なんか多すぎない?」
「食後に運動すれば大丈夫」
ショーンは黙って食べている。
「ん。このスープ上手い。シェフはどこだ。一言、言いたい気分だ」
「シェフはトモだよ」
「え?」
ショーンに対し、サンキュと言うと付け足してやる。
「でもサンドイッチは徹君だよ」
「そうなんだ。え、今、名前……」
「話が盛り上がって仲良くなった」
「それはよかった」
「サンドイッチも美味しい」
そう言われ徹君は照れている。
しかし食べ過ぎたかも。
食後は運動することなく、まったりと過ごしていた。
だけど、やはり動かないと夕食が入らない。
夕方近く、板の間に向かう。
なにやら声が漏れてくる。
博人さんかなと思い覗くと徹君だった。
しばらく見てると、この子は壁を相手に空手をしている。
ポケットは観てるだけだ。
んー……、空手かあ。
タイミングを見計らい声を掛けてやる。
「格好いいね。空手は、どこかで習ってるの?」
「あ、ありがとうございます。師匠の、あ、と」
代わりにポケットが答える。
「悟の所だ」
「なるほど。空手だけ?」
「他は合気道です」
「それなら合気道の相手をして」
「誰と?」
「私と」
「え、いいんですか?」
「うん。昼飯が多くて運動しようと、こっちに来たんだ。それに壁を相手にするよりいいと思うよ」
徹君は嬉しそうな表情をしている。
「お願いします」
そんなにも時間が掛からず、徹君はギブアップした。
「もう?」
「つ、強い。強すぎ」
「得意なのは、空手?」
「そうです」
「んー……。空手は苦手だからなあ」
博人さんの声が聞こえてくる。
「あれ、3人ともここにいたんだ」
「博人さん、どこに」
博人さんは徹君に声を掛けている。
「徹君は、そこで寝てるの?」
「合気道をしてて、負けたので。そのまま立ち上がれないのです」
「合気道の師匠を相手に無謀な」
「合気道の師匠?」
博人さんにスルーされたのが悔しくて、言ってやる。
「徹君は空手が得意だって」
「空手かあ……。あ、ショーンがいる」
「え、ショーンって」
またスルーされる。
「ショーン、先に空手だ。いいかな?」
博人さんの後ろに居たらしいショーンは渋々と声を出す。
「OK」
見てると分かる。
ショーンは格闘家だ。
徹君は空手が得意なだけあり、連発を見舞っている。
ショーンは呟くように声を掛けている。
「さすがのものだな」
「サンキュ」
「ラストだ」
「こいっ」
ショーンの攻撃を躱しガードしながら拳を繰り出している徹君に、ショーンは五連発を放った。
「うー……。疲れた-」
「アップさせてもらったよ。ありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございました」


やっぱり運動は必要ですよね。
「もっと音量を下げて言ってくれるかな」
「早く食べよ」
ダイニングの丸テーブルに5人分をセッティングする。
博人さんを中心に、左側は私。右側は徹君とポケット。
そのポケットの右隣はショーンだ。
「なんか多すぎない?」
「食後に運動すれば大丈夫」
ショーンは黙って食べている。
「ん。このスープ上手い。シェフはどこだ。一言、言いたい気分だ」
「シェフはトモだよ」
「え?」
ショーンに対し、サンキュと言うと付け足してやる。
「でもサンドイッチは徹君だよ」
「そうなんだ。え、今、名前……」
「話が盛り上がって仲良くなった」
「それはよかった」
「サンドイッチも美味しい」
そう言われ徹君は照れている。
しかし食べ過ぎたかも。
食後は運動することなく、まったりと過ごしていた。
だけど、やはり動かないと夕食が入らない。
夕方近く、板の間に向かう。
なにやら声が漏れてくる。
博人さんかなと思い覗くと徹君だった。
しばらく見てると、この子は壁を相手に空手をしている。
ポケットは観てるだけだ。
んー……、空手かあ。
タイミングを見計らい声を掛けてやる。
「格好いいね。空手は、どこかで習ってるの?」
「あ、ありがとうございます。師匠の、あ、と」
代わりにポケットが答える。
「悟の所だ」
「なるほど。空手だけ?」
「他は合気道です」
「それなら合気道の相手をして」
「誰と?」
「私と」
「え、いいんですか?」
「うん。昼飯が多くて運動しようと、こっちに来たんだ。それに壁を相手にするよりいいと思うよ」
徹君は嬉しそうな表情をしている。
「お願いします」
そんなにも時間が掛からず、徹君はギブアップした。
「もう?」
「つ、強い。強すぎ」
「得意なのは、空手?」
「そうです」
「んー……。空手は苦手だからなあ」
博人さんの声が聞こえてくる。
「あれ、3人ともここにいたんだ」
「博人さん、どこに」
博人さんは徹君に声を掛けている。
「徹君は、そこで寝てるの?」
「合気道をしてて、負けたので。そのまま立ち上がれないのです」
「合気道の師匠を相手に無謀な」
「合気道の師匠?」
博人さんにスルーされたのが悔しくて、言ってやる。
「徹君は空手が得意だって」
「空手かあ……。あ、ショーンがいる」
「え、ショーンって」
またスルーされる。
「ショーン、先に空手だ。いいかな?」
博人さんの後ろに居たらしいショーンは渋々と声を出す。
「OK」
見てると分かる。
ショーンは格闘家だ。
徹君は空手が得意なだけあり、連発を見舞っている。
ショーンは呟くように声を掛けている。
「さすがのものだな」
「サンキュ」
「ラストだ」
「こいっ」
ショーンの攻撃を躱しガードしながら拳を繰り出している徹君に、ショーンは五連発を放った。
「うー……。疲れた-」
「アップさせてもらったよ。ありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございました」

やっぱり運動は必要ですよね。
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