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クルーザーで太平洋巡り! (8) 

 昼飯をどうするかなと考えていたら、ポケットが手渡してくれる。
  「ふむ、これを齧れと?」
  「齧ってもいいし、サンドイッチにするとか」
 
 徹君が手を上げてくる。
  「はい! 手伝います」
  「え、でも」
  「手伝わせてください。暇で暇で死にそうなんです」
  
 ポケットも言ってくる。
  「徹は料理を作るよ」
 
 その言葉に納得したので振ってやる。
  「それじゃ、昼飯はなにしたい?」
  「んー……。1人一本でサンドイッチにするとか」
 
 その言葉に絶句してしまった。
  「1人で一本って」
  「多過ぎでは……」
 
 徹君は言ってくる。
  「食べた感ありますよ」
  「それもそうだが……。それならスープを作るから、サンドイッチお願い」
  「はい!」
 
 元気一杯に返事してくれる徹君は、芸術肌でなく運動系だと気が付いた。
 ポケットは呆れ声で言ってくる。
  「ったく、ボスは相変わらずだな」
  「なにが?」
  「楽な方を取る」
  「試練を与えてあげてるだけだ」
 
 徹君は口を挟んでくる。
  「5人分だから材料を切るので、敦さんは具を挟んでくださいね」
  「え、私もするの?」
  「もちろんですよ」
 
 思わず笑っていた。
  「徹君って、言う方だねえ」
  「名前呼び……。えへ、嬉しい。だって、お客さんではないので」
  「うんうん。まるで優介みたいだな」
  「嬉しいな。あ、でも俺は天然ではないので」
  「そうだね」
 
 いや、君も天然だよと心の中で付け加えた。
 
 
 
 作り終えると、クルーザーの全室に繋がるようにスイッチを入れる。
 よし、と息を吸う。
 ポケットは、それを見て徹に素早く声を掛ける。
  「徹。耳を塞いでろ」
  「どうして」
  「いいから早く」
  「は、はい」
 
 
  「昼飯できたよー」
 
 
 余りにも大きな声で歌うようにマイクに向かっているのを聞いて、徹は納得した。
 これは凄い。
 耳を塞いでいても、まだ耳にこびり付いている感じだ。
 
 
 
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そうでした。
友明の声のことを忘れてないポケット、いや敦はお見事でしたね。


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