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貴方がいる。それが強くなれる秘訣だ! (11)

 30分後、戻ってくるだろうと思い紅茶を淹れる。
 テーブルの上にはシュークリームを皿に並べ置き、エドの手前に紅茶を置く。
 真っ先にエドが口を開く。
  「あー……、さっきのは参った。口直しに貰う」
 
 そのエドにヒロトは聞いていた。
  「大丈夫?」
  「大丈夫なような、そうでもないような」
 
 そんなエドに和田が口を挟んでくる。
  「梅酒ですよ。しかも原液のほうをストレートで一気飲みするだなんて信じられません」
  「梅酒ってなんだ?」
 
 ヒロトは説明しだした。
  「日本には梅の木というのがあって、花が咲き散ると堅い実になるんだ。その実を日本酒に浸けて半年か一年ほどおいておくと梅酒になるんだ」
  「梅の木ねえ」
  「氷も淹れず、ましてや湯で割らずにストレートで飲むなんてしないよ」
  「目の前に置かれると飲んでしまうだろ」
  「氷に気が付いてなかったんだね。紅茶どうぞ」
 
 エドは紅茶を一気に飲み干してしまった。
  「お代わり」とまで言ってきたほどだ。
 そうしてると二人が戻ってきた。
  「ただいま」
 元気な二つの声がした。
  「紅茶淹れたよ」と言うヒロに、二人はありがとうと返し、席に座る。
 
 ポールが口を開いてくる。
  「で、なんのために来たっけ」
 
 その言葉にがっくりしたヒロトとトモ。苦笑しながら「同じく」とエドの言葉にもがっくりきた。
 ワダが仕切ってくれる。
  「銃撃戦の話しで意識がそれてしまいましたからね。かいつまんで私が簡単に説明させて貰います」
 
 そう言うとシュークリームを頬張り紅茶も一口飲む。
  「銃撃戦で失明したドンは、人ではない者の力で光を取り戻された。私は日本に帰国すると博人様の病院で脳外のドクターをしていました。ドンは私のクランケでした。 だから分かるのです。光を失っていた間のデータを持っているので、光を取り戻したデータと見比べると分かりました。メスオペドクターの復帰を希望されているので、お二人にご協力願いたいということです」
 
 エドはぼやいている。
  「本当にワダは簡単に言ってくれるが」
 ポールが遮るように後を引き継ぐ。
  「協力できるものとできないものがあるよ」
 
 そんな二人の言葉はお構いなくワダは言い放つ。
 一々まともに取り合っていたら図に乗るのは昔から分かっていることなのでワダは二人の言いたいことをスルーしている。
  「エドワール様には医療全般の知識を指導する人。いわば教授役になってもらいます」
  「私が教授?」
  「ポール様はドンとともにメスのレッスン生に」
  「私がレッスン生?」
 
 あんぐりと目と口を開けたポールに言ってやる。
  「メスの指導役は博人様です。ですが、博人様の都合がつかない場合はポール様が指導役です」
  「なるほど、そういうことね」
 
 
 エドとポールはワダに詰め寄る。
  「ワダは?」
  「なにもしないの?」
  「ドンは皮膚科にいたそうなので、ひとまずはテストします。そのテストの監視役です」
 
 ポールは思わず言っていた。
  「契約が切れる数ヶ月は、私のしていた研究を手伝って貰っていた」
  「どのような研究ですか?」
  「ビー玉を使って心臓を止めミイラ化させる研究」
  「ビー玉でできるのですか?」
  「その逆もできる」
  「嘘……」
 
 ワダの、そんな表情は初めて見たポールは内心で(初めて勝った!)とガッツポーズをしていた。
 
  「とにかくドンとポール様のテストをしますので」
 という言葉で、その日はお開きになった。
 
  「は? ちょ、ちょっと待って。今、なんて……」
  「私を初めて言い負かしたと思っていたでしょう? それに、どれぐらいの力をお持ちなのか知りたいので。それでは」
 
  「うえー……。テスト嫌い。苦手なの知ってるくせに」
  「昔っから、思ってることが顔に表れるからなあ」
 
 
 


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ポール。
テストが嫌いなのは、あなただけじゃない。
私も嫌いよ(笑)
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