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貴方がいる。それが強くなれる秘訣だ! (2)

 クリスマスの日、博人がボソッと呟いた言葉。
  「ペーパー用の講義があれば」
  
 その言葉が頭の隅に引っかかり、それ以降ずっと考えていたということを話していた。
 だが、自分一人でいい。
 皆は、皆の生き方がある。
 
 その話を聞いた博人は、友明とともにエドの部屋へ行き話した。
  「内緒にして欲しい」
  
 そう言われていたが、エドはポールに喋っていた。
  「なあ、これは3人だけの秘密なんだが、手伝って欲しいんだ」
  「エドが、私に?」
  「ポールのフラットで話したい」
  「いいよ」
 
 フラットに招き入れたポールはエドに飲み物を淹れると差し出す。
  「へえ、自分で淹れられるようになったんだな」
  「自分のことは自分でしないとね」
 
 その言葉で、エドは自分のやろうとしていることは正解だと感じた。
 一口、口に含み喉を潤す。
  「トモの復帰を手伝って貰おうと思っているんだ」
  「復帰とは?」
  「メスオペ」
 
 その言葉にポールは衝撃を隠せないでいた。
  「いくらなんでも」
  「私でさえ最初は反対したんだ」
  「なら手を貸さなければいいだろ。トモは、トモの目は」
  「そのトモは左目失明を克服できている」
  「気持ちは克服できていても」
  「いいか、ポール。いや、アンソニー」
 
 ピクッと反応してしまう。
  「その呼び方はやめろ」
  「いや、やめない。いいか、アンソニー。お前も克服しろ。トモは左目も見えてるんだ」
  「なにを言って」
  「理由は分からないが、完全に見えているんだ」
  「トモは銃撃戦で……」
  「だけど、今は見えている」
  「どうして……」
  「理由は分からない。ヒロとトモの二人から説明してくれた、私は分からないんだ」
  「どう説明されたの?」
 
 その言葉を聞き、エドは安心した。
  「私は、まだ信じられないんだ。なあ、アンソニー。本人の口から聞きたいと思わないか」
 
 本人の口から。
 それはトモと会えるということか。
 ポールは即答していた。
  「そうだな。エドから聞くより本人から聞いて納得いくように話して貰いたい」
 
 
 これはポールにとってもシンガポール時代を克服できるか否か。その問題にも繋がることだ。
 
 
 


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