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好きになったのは年上で意地悪な人 (84) 勝負は。。。

 次男は仕方ないと思い父親のほうを振り向く。
  「タヌキ」
  「私に固執するな」
  「それとこれとは違う。人の親を突き落として、のうのうと専務という肩書きにしがみついている大きな子どもは許されないことをした」
 
 三男まで言ってくる。
  「そうそう。なにしろ見舞いに来たのは社長と副社長の二人だけだ」
 
 今度は長男だ。
  「あと近所の、秘書課長。この三人だけだ。それに、こいつは謝罪の言葉もなしだし怒鳴り散らしている」
  「突き落としたのを正当化している」
  「自分のしたことを悪いとは思ってない」
 
 長男を筆頭に双子も言ってくるが、父親は頑として頷かない。
  「だからといって、おまえ等が手を出していいものではない」
  「なんで?」
 
 
 利根川は口を挟んできた。
  「親は物わかりいいが、子どもはよくないみたいだな」
  「専務、やめてください」
  「村上君。君は秘書だろう。秘書は」
 
 利根川の、その口調から、今度は矛先が末っ子に向かっているのを悟った三人の兄は一斉に怜を庇うように立ち塞がり利根川を睨み付ける。だが、その壁を押しのけて怜は前に出る。利根川の言葉を遮ってやる。
  「この場合、どうすればいいのかなんて分かりません。だけど、秘書といえども人間です。これだけは教えてください。私の親を突き落としたのは、利根川専務ですか?」
 
 しばらく間があった。
  「そうだ」
  「そうですか。教えてくださりありがとうございます」
 
 しゅう兄が口を挟んでこようとする。
  「怜」
  「煩い、黙れ。利根川専務、理由の如何によっても、私はあなたを許しません。軽蔑します。憎みます。これだけは覚えておいてください。あなたは私を、私の家族を敵に回したってことをね」
 
 ギロッと三人の兄を睨んでやる。
  「兄貴たちは帰って」
  「ほいほーい」
 
 だけど、三男は口に出していた。
  「トネ野郎。今回は帰るが、俺は許さないからな」
  「そっちが、あいつの居場所を教えないからだ」
 
 次は次男だ。
  「あんた、そればかりだな。それを別名で言うと、どう言うと思う?」
  「どう言う意味だ?」
  「バカの一つ覚えって言うんだよ」
 
 長男もだ。
  「たとえ、ここをクビになっても日本国内で仕事に就けると思うなよ」
  「どうだろうねえ」
 
 末っ子も右にならえをしていた。
  「利根川専務。私の兄が言っていることは正当防衛です。こんなくだらないことで時間を無駄にしてしまった。それが私にとって一番の失態です。専務は仕事はどうされているのですか?」
  「そいつらが離さないからだろ」
  「たとえ、そうであっても言い逃れようとは思わないのですか?」
  「村上君。君は秘書だろう。秘書は上司の」
  「私の上司は桑田専務です。利根川専務ではありません」
  「たとえ上司でなくても、人が話してるのに遮るということは失礼にあたらないかな」
 
 長男がきっぱりと言ってくる。
  「あんたに、失礼云々を説かれたくない。怜、俺たちは帰るからな」
  「とっとと帰って。でないと上司にドヤされる」
 
 その言葉に応じてきたのは唸るような低い声だった。
  「村上君、今日は残業をしてもらうから」
 
 その声のほうを振り返ると、にこやかな表情をしたメイン秘書だった。
  「げっ……。高樹さん」
 
 
 末っ子の頭を優しく叩き一言ずつ声を掛けながら三人の兄は帰っていった。
 父親はため息が出ていた。
  「ほんと、いつまで経っても末っ子には甘いよな」
 
 
 
 

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はい。
勝負は三兄弟の判決勝ちでした!
(^-^)//""ぱちぱち


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