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好きになったのは年上で意地悪な人 (80) 

 何度も何度も煩く騒いでいたら、やっと出てきた。
 しかも、眠たそうな表情をしている。もしかして、こんな昼間っから寝ていたのか。この一大事なときに! という思いが湧いてくる。
  「なあに? どうしたの?」
  「師匠は?」
  「何か用事?」
  「大至急、見てもらいたい物があるんだ」
 と言って、スマホを見せる。
 
 徹が見せてくれているスマホに目をやると、優介は言っていた。
  「これGPSだよね」
 
 あり得ない言葉に絶句していた。
  「GPSって」
  「まさか、あいつら……」
 
 優介は爆弾発言をしてくる。
  「充電や起動されるとGPSが発動するしくみのだよね」
  「じゃあ、これって今のままだと発動してないってこと?」
  「たぶん……」
  「たぶんって」
  「ちょっと待って。悟さん呼んでくる」
 
 
 奥から師匠がでてきた。
  「ああ、これか。GPSの最新のβ版だよな。まだ製品化されてない。盗聴のほうは作動してるな」
 と、点滅している箇所を触る。
  「盗聴って……」
 
 敦さんは点滅している所に向かって喋りだした。
  「おい、おまえ等! こんな姑息な手を使ってまで私の居場所を見つけてどうするつもりだ! ローンを組んで建てた家もやっただろう。生前分与で4人に分けたはずだ。これ以上、なにを搾り取ろうとするんだ。何も残ってないぞ!」
 
 
 イヤホンを差し込んで聞いていた相手は耳を押さえていた。
  「うー……、途中からしか聞けてなかったのにぃ」と、末っ子の怜。
  「クソタヌキが」と、長男の智弥。
  「耳がいてぇ」と、次男の修司。
  「まさかバレるとは」と、三男の恵斗。
 
 
 イヤホンを取り外し、4人とも耳を擦っている。
  「でも、分かった」
  「利根川って言ってたな」
 
 その言葉に末っ子の怜は反応を示す。
  「え、利根川……、専務が、どうかしたの?」
 
 その声を拾ったのは長男だ。
  「専務なのか、そいつは」
  「で、恋人は徹ね」
  「両方の顔を見てやろうじゃないか」
  「待ってよ、3人とも」
 
  「邪魔するなよ」
  「それに見舞いに来たのは社長と副社長だからな」
  「ま、連絡してないから恋人は来なかったけどな」
  「兄貴、しゅう兄、けい兄」
 
 末っ子の心配をよそに、3人は呟いている。
  「ま、行くのはいつでも行けるさ」
 
 
 師匠は盗聴とGPSを取り外そうとしている。 
 嬉しそうな表情で師匠は敦さんに、こう聞いている。
  「もらっていい?」
  「いいが、どうするんだ?」
  「プログラムの勉強をさせてもらう」
  「作るのか」
  「そうそう。もっと精密な奴をな」
  「持ってけ」
  「サンキュ」
 
 だが、相手は出ようとしているので、背中に声を掛けてやる。
  「おい、スマホは」
  「やる」
  「ないと不便だろ」
  「あいつらにナンバーを知られているかもしれないからな。新しいのを買う」
  「そう? なら遠慮なくもらう」
  「中身はデリートしてないから」
  「OK。 こっちでしとく」
 
 
 外に出ると敦さんは声を掛けてくる。
  「番号を変える。付きあってくれ」
  「はい」
 
 
 敦さんの新しいスマホには、一件のデータが入った。
 そう、俺の番号とメルアドだけだ。
 
 
 


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さあ、宮田家の4人兄弟が登場しました。
最終話まで注禁のエロはありませんので、このまま突き進みます~
ソフトエロなら出てくるww
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