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好きになったのは年上で意地悪な人 (75) 

 怜は、コンビニから出てきた人とぶつかり転げてしまった。
  「ご、ごめんなさい」
  「うわああ……」
  「あ、あの、大丈夫ですか?」
  「バカ。バカ、バカ、バカ親父-」
 
 その声を聞いて、ぶつかった人が誰なのか分かった相手は黙っていた。
 村上君かあ、仕方ない。こうなると……。
 コンビニに戻り飲み物とシュークリームを買って出た。村上君は、まだ泣いている。
  「はい、どうぞ」
 
 すっと目の前に出されたのは、お茶のペットボトルとシュークリーム。
  「あ、あの」
  「俺とぶつかって転げたので、痛かったでしょう。遠慮なくどうぞ」
  「あ、はい。いただきます」
 
 
 その様子を窓から見ていた宮田は思いが口に出ていた。
  「あのバカ。なにをやってんだ」
  「宮田。お前は私になにをさせたいんだ」
  「そう怖い顔するなよ。怜がくっついて鬱陶しかったんだ」
  「だからって」
  「居場所知られたくなかったし」
  「お前ねえ」
  「2ヶ月弱、入院していた。今日、退院したばかりの人間に当て身食らわすだなんてひどいなあ」
 
 その言葉に吐息がでた悟は聞いていた。
  「なにやってんだが」
  「そいつは私の恋人を寝取ろうとしていて私が邪魔だった。それだけの話しさ」
  「ったく」
  「会社の階段から落とされ、たまたまロビーに居た怜に出くわし、そのまま病院行き」
  「なら恋人は居るんだな」
  「だけど、誰にも知られたくないんだ」
  「でも、そいつは知ってるんだろ」
  「知らない」
  「は?」
  「私の恋人だと知らないそいつは、勝手に狙っている」
  「鬱陶しい関係だな」
  「まったくだ」
 
 
 その恋人と息子は、外で一緒に並び座っている。
  「このシュークリーム美味しい」
  「よかった」
 
 その言葉にハッと気が付いた宮田常務の四男坊の村上怜は、隣に座っているジーパン姿の人に気が付いた。
  「ご、ごめんなさい。見ず知らずの人に奢ってもらって」
  「いえいえ、私がよそ見していたのが悪かったんです。申し訳ありませんでした。怪我は」
  「大丈夫です。ありがとうございます」
 そう言うと村上君は駅へと向かって歩き出した。
 
 角を曲がった村上君を見送った徹は、こう思っていた。
 退社して2ヶ月なんだけど、服装が違うと分からないのかな。
 まあ、スーツとジーパン姿だと分かりづらいよなあ。
 
 声を出していた。
  「それじゃ、優介のとこ行こう」
 
 
 
 
 
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