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好きになったのは年上で意地悪な人 (60) 

 誰かの声が聞こえてくる。
  「やっぱりスポーツ欲しいね」
  「岡崎さん……」
 
 じー……と見つめられるが、もうゴメンだ。
  「んー、あそこの道場は土日は無理だからなあ」
  「道場でなくて、岡崎さんがしてくれれば」
  「いや、私はもうしたくないです」
 
 その時に閃いた。
  「プールはどう?」
  「プール……」
  「それもそうか」
  「うへぇ、泳ぎ苦手……」
  「でも大人数だし邪魔じゃないかな」
  「あ、それもそうか」
  「やっぱり岡崎さんが」
 
 うーん、その繰り返しになるのか。
 有志として名乗りを上げた山口君に提案してやる。
  「ねえ、山口君」
  「は? いや、私はなにもできませんよ」
  「違う違う。去年行ったでしょ、割烹に」
  「はい」
  「テツは柔道の師匠だから聞いてみたらどうかな?」
  「え、テツさんが柔道の師匠を」
  「まだ喧嘩中で、私はあいつと会いたくないから」
  「社内の人を優先してダメだったら最後にテツさんにお願いします」
  「そうだね。と、すると」
 
 誰かが後を引き継いでくれる。
  「to be continue……」
 
 そうなるのか。
 うーん、どうしようかねえ。
  「岡崎さんが”Yes”と言ってくれればベストなんですよ」
  「そうそう」
 
 仕方ないので口を挟んでやる。
  「皆、忘れてない? 私は日曜担当だよ」
  「そういえば」
  「あー……、決まらない」
 
 ごめんね、頑張って決めて。
 
 
 山本君の意識が変わり積極的になってきた。
 それは育成だけでなく、他の仕事にも雑で目を覆いたくなるようなことにも目を向けるようになった。
 山本君は大丈夫だ。
 
 
 
 


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